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不動産売却の仲介手数料|上限の計算方法・早見表・800万円以下の特例(自動計算つき)

不動産売却の仲介手数料 相続した不動産
記事内に広告が含まれています。

相続した実家などを不動産会社に仲介してもらって売ると、売れたときに仲介手数料がかかります。

仲介手数料には、法律にもとづく上限があり、売買価格から計算できます。

この記事では、国土交通省の告示をもとに、仲介手数料の上限の計算方法、早見表、800万円以下の物件の特例、支払いのタイミングや税金での扱いを説明します。

売買価格を入れるだけで上限額が分かる計算ツールも用意しました。

先に結論
  • 仲介手数料の上限は、売買価格が400万円を超える場合「売買価格×3%+6万円」に消費税を加えた額
  • 3,000万円で売れたら、上限は105万6,000円(税込み)
  • 2024年7月からは、800万円以下の物件で、事前の説明と合意があれば最大33万円(税込み)まで受け取れる特例がある
  • あくまで上限なので、これより安い額で合意することもできる
  • 買取業者に直接売る場合は、仲介ではないので仲介手数料はかからない

この記事の監修:行政書士(2018年開業・社会保険労務士試験合格)。法務局・裁判所・国税庁などの一次資料で内容を確認しています。

仲介手数料とは

仲介手数料は、不動産会社(宅地建物取引業者)が、売主と買主の間に入って売買を成立させたときに受け取る報酬です。

宅地建物取引業法46条にもとづき、国土交通大臣が報酬の上限を告示で定めています。

不動産会社は、この上限を超えて報酬を受け取ることはできません。

また、売買が成立しなければ、原則として仲介手数料はかかりません(成功報酬)。

上限の計算方法

告示では、売買価格(消費税を含まない額)を3つの区分に分け、それぞれに割合を掛けて合計した額を上限としています。

売買価格の区分 割合(税抜き) 割合(税込み)
200万円以下の部分 5% 5.5%
200万円を超え400万円以下の部分 4% 4.4%
400万円を超える部分 3% 3.3%

速算式

仲介手数料の上限の速算式(税抜き)

区分ごとに計算するのは手間がかかるので、次の速算式がよく使われます。

売買価格 上限(税抜き)の速算式
200万円以下 売買価格×5%
200万円超400万円以下 売買価格×4%+2万円
400万円超 売買価格×3%+6万円

これに消費税10%を加えた額が、税込みの上限です。

計算例

3,000万円で売れた場合の仲介手数料の上限

3,000万円で売れた場合の上限は、次のとおりです。

計算 金額
3,000万円×3%+6万円 96万円
消費税(10%) 9万6,000円
上限(税込み) 105万6,000円

区分ごとに計算しても、200万円×5%+200万円×4%+2,600万円×3%=96万円で、同じ結果になります。

仲介手数料の上限を計算する

売買価格(税抜き)を入れると、上限額が表示されます。

仲介手数料の上限を計算

売買価格(税抜き・万円)

万円

早見表

売買価格 上限(税込み)
100万円 5万5,000円
200万円 11万円
300万円 15万4,000円
400万円 19万8,000円
500万円 23万1,000円
800万円 33万円
1,000万円 39万6,000円
2,000万円 72万6,000円
3,000万円 105万6,000円
5,000万円 171万6,000円
1億円 336万6,000円

800万円以下の物件は、次の特例で上限が変わることがあります。

800万円以下の物件の特例

2024年7月1日からは、売買価格が800万円以下の宅地や建物(低廉な空家等)について、特例が設けられました。

不動産会社は、現地調査などにかかる費用を考えて、通常の計算の上限を超えて、依頼者1人から最大33万円(30万円の1.1倍)まで受け取れます。

売買価格 通常の上限(税込み) 特例の上限(税込み)
100万円 5万5,000円 33万円
300万円 15万4,000円 33万円
500万円 23万1,000円 33万円
800万円 33万円 33万円

特例の額を受け取るには、媒介契約を結ぶときに、あらかじめ報酬の額を説明し、依頼者の合意を得ることが必要です。

地方の古い家など、価格が低い物件でも不動産会社が扱いやすくするための見直しです。

いくらになるかは、媒介契約の前に確認しましょう。

空き家の売り方は空き家バンクとはでも説明しています。

買主も仲介手数料を払う

仲介手数料は、売主と買主がそれぞれ、自分が依頼した不動産会社に払います。

1つの不動産会社が売主と買主の両方から依頼を受けている場合は、その会社が両方から受け取ります。

上限は、売主・買主それぞれについて、同じ計算で決まります。

貸す場合の仲介手数料

相続した家を売らずに貸す場合、貸主と借主から受け取れる仲介手数料の合計は、家賃の1か月分に消費税を加えた額が上限です。

住宅の場合、どちらか一方から受け取れるのは、承諾がなければ家賃の0.5か月分(税込み0.55か月分)までです。

長い間使われていない空き家を貸す場合は、2024年7月から、合計で家賃の2.2か月分(税込み)まで受け取れる特例もあります。

仲介手数料以外に請求されるもの

告示では、仲介手数料のほかに報酬を受け取ることを原則として禁止しています。

例外は、依頼者の依頼で行った広告の料金など、特別な費用に限られます。

  • 通常の広告費(ポータルサイトへの掲載やチラシなど)は、仲介手数料に含まれる
  • 依頼者が特別に頼んだ広告などの実費は、別に請求されることがある

「コンサルタント料」などの名目で、仲介手数料とは別の費用を求められた場合は、内容を確認しましょう。

支払いのタイミング

仲介手数料は、売買契約が成立したときに支払う義務が生じます。

実際には、売買契約を結ぶときに半分、引き渡しのときに残りの半分を払うなど、媒介契約で支払い時期を決めることが多いです。

支払い時期は、媒介契約書で確認しておきましょう。

媒介契約の種類

種類 ほかの会社への依頼 自分で見つけた買主との契約 報告の頻度
一般媒介 できる できる 決まりなし
専任媒介 できない できる 2週間に1回以上
専属専任媒介 できない できない 1週間に1回以上

専任媒介と専属専任媒介の有効期間は、3か月以内です(宅地建物取引業法34条の2)。

どの契約でも、仲介手数料の上限は同じです。

仲介手数料がかからない売り方

仲介と買取の違い(仲介手数料)

不動産会社や買取業者が、自分で買主になって直接買い取る場合は、仲介ではないので仲介手数料はかかりません。

売り方 仲介手数料 特徴
仲介で売る かかる 市場の価格で売れる可能性がある。売れるまで時間がかかることも
買取業者に売る かからない 早く売れることが多いが、価格は仲介より低くなりやすい

手取り額は、売れる価格から仲介手数料などの費用を引いて比べましょう。

仲介と買取の両方で査定を取ると、比べやすくなります。

相続放棄を考えている場合は、家を売ったり、査定を頼んで売る話を進めたりする前に、放棄するかどうかを決めてください(民法921条1号)。

相続した不動産の売却・買取の相談先(比較)

実家の状態によっては、仲介より買取のほうが早く手放せることがあります。

相談先 向いているケース 注意点
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住める状態の家・マンション・土地を仲介で売る 複数の不動産会社の訪問査定を一度に申し込める
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住める状態の家は仲介の査定、傷みが大きい家や権利関係が複雑な家は買取の査定も取り、両方の金額を比べてから売り方を決めましょう。

売るときにかかるほかの費用

不動産を売るときは、仲介手数料のほかにも費用がかかります。

費用 内容
印紙税 売買契約書に貼る印紙。2027年3月31日までに作る契約書は軽減税率(例:1,000万円超5,000万円以下なら1万円)
登記の費用 相続登記の登録免許税(評価額の0.4%)、住宅ローンが残っていた場合の抵当権抹消(不動産1個につき1,000円)など
測量費 隣との境界がはっきりしない場合に、境界を確定する測量をする
解体費・片付け費 更地にして売る場合や、家財を処分する場合
譲渡所得の税金 売って利益が出た場合に、所得税・住民税がかかる

手取り額は、売れた金額からこれらの費用と税金を引いて考えましょう。

相続人で分ける場合の手取りと税金の目安は、換価分割とはの計算ツールで確認できます。

不動産会社の選び方

仲介手数料の上限はどの会社でも同じなので、会社を選ぶときは、手数料よりも売り方で比べることが大切です。

  • 査定額の根拠(近くの取引事例など)を具体的に説明してくれるか
  • その地域や、相続した古い家・空き家の売却に慣れているか
  • 売り出し価格と、値下げの考え方を説明してくれるか
  • 広告の方法(ポータルサイトへの掲載など)と、報告の頻度
  • 相続登記や家財の片付けなど、売る前の準備について案内してくれるか

査定額が高い会社が、実際に高く売ってくれるとは限りません。

複数の会社の査定を比べ、根拠に納得できる会社を選びましょう。

相続した不動産を売るときの仲介手数料

譲渡所得の計算で差し引ける

不動産を売って利益が出た場合の譲渡所得は、売った金額から取得費と譲渡費用を引いて計算します。

仲介手数料は、売るために直接かかった費用として、譲渡費用に含められます。

税金の計算は相続した不動産を売ったときの税金で説明しています。

相続人で分けるときは代金から差し引く

相続人で売って代金を分ける場合(換価分割)は、仲介手数料などの費用を売った代金から差し引いてから分けるのが一般的です。

遺産分割協議書に、差し引く費用と分け方を書いておきましょう。

手続きは換価分割とはで説明しています。

売る前に必要なこと

相続した不動産を売るには、先に相続登記をして、名義を相続人に変える必要があります。

手続きは相続登記の必要書類と自分でやる手順で確認できます。

売ったあとの売主の責任は契約不適合責任とはで説明しています。

売る前の建物状況調査は建物状況調査(インスペクション)とはで説明しています。

リースバックでは、売買と賃貸の両方で仲介手数料がかかることがあります(リースバックとは?仕組み・デメリット・家賃と売却額の比べ方)。

仲介を頼むときに結ぶ契約の種類は、媒介契約の3種類の違いと選び方(囲い込み対策・チェックリスト無料)で確認できます。

よくある質問

仲介手数料は値引きできますか?

告示で決まっているのは上限なので、不動産会社と合意すれば、上限より安くすることもできます。

ただし、値引きの代わりに広告を減らされるなど、売り方に影響が出ることもあるので、条件を確認しましょう。

一般媒介で複数の会社に頼んだ場合、手数料は何社分?

仲介手数料は成功報酬なので、実際に売買を成立させた会社にだけ払います。

ほかの会社には、原則として払う必要はありません。

売買契約が解除になったら、仲介手数料は払いますか?

契約が解除された場合の扱いは、解除の理由や媒介契約の内容によって違います。

媒介契約書に、解除の場合の報酬の扱いが書かれているか確認しましょう。

売買価格に消費税がかかる場合は?

個人が住んでいた家を売る場合、建物の代金に消費税はかかりません。

事業者が売る建物など、消費税がかかる場合は、消費税を除いた額で仲介手数料を計算します。

まとめ

  • 仲介手数料の上限は、400万円超なら「売買価格×3%+6万円」に消費税を加えた額
  • 800万円以下の物件は、事前の説明と合意があれば最大33万円(税込み)まで
  • 上限なので、安い額で合意することもできる。支払い時期は媒介契約で確認する
  • 買取業者に直接売れば仲介手数料はかからない。手取り額で比べる
  • 相続した不動産を売ったときの仲介手数料は、譲渡所得の計算で譲渡費用として差し引ける

監修者

行政書士(2018年11月開業)・社会保険労務士試験合格。遺産分割協議書の作成や相続人の調査(戸籍の収集)など、相続の書類づくりに携わっています。

このサイトでは、法務局・裁判所・国税庁・金融機関などが公表している一次資料で確かめた内容だけを書いています。詳しくは運営者情報をご覧ください。

参考資料:宅地建物取引業法34条の2・46条/宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額(令和6年国土交通省告示第949号)/国税庁タックスアンサーNo.3255(2026年9月30日確認)

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