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媒介契約の3種類の違いと選び方|専任・専属専任・一般媒介と囲い込み対策(相続した家を売る人向け・チェックリスト無料)

媒介契約の3種類と選び方 相続した不動産
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相続した家を売るとき、不動産会社と最初に結ぶのが「媒介契約」です。

媒介契約には3つの種類があり、どれを選ぶかで、頼める会社の数や、会社から受けられる報告が変わります。

「専任と一般、どちらがいいのか」「囲い込みをされないか」と迷う人は少なくありません。

この記事では、宅地建物取引業法と国土交通省の案内をもとに、3種類の違いと選び方を説明します。

2025年1月から始まった、売主が自分の物件の取引状況を確かめるしくみも紹介します。

不動産会社に聞くことをまとめたチェックリスト(Word・無料)もつけています。

先に結論
  • 媒介契約は一般媒介・専任媒介・専属専任媒介の3種類
  • 専任と専属専任は1社にしか頼めないが、レインズへの登録と定期的な報告が法律で義務づけられている
  • 専任・専属専任の契約期間は3か月以内。自動更新はできない
  • 2025年1月から、レインズへの取引状況の登録が義務になった。売主は登録証明書の二次元コードから自分で確認できる
  • 相続した家は、相続登記をすませ、共有者全員の同意をそろえてから契約する

この記事の監修:行政書士(2018年開業・社会保険労務士試験合格)。法務局・裁判所・国税庁などの一次資料で内容を確認しています。

媒介契約とは

媒介契約は、家や土地の売却を不動産会社に頼むときに結ぶ契約です。

不動産会社は、契約を結んだら内容を書いた書面を依頼者に渡さなければなりません(宅地建物取引業法34条の2第1項)。

書面には、売り出す価格、契約の種類、有効期間、報酬(仲介手数料)などが書かれます。

仲介手数料は成功報酬なので、売買が成立するまでは原則としてかかりません。

手数料の上限は不動産売却の仲介手数料で、自動計算と一緒に確認できます。

媒介契約の3種類の違い

媒介契約の3種類(一般媒介・専任媒介・専属専任媒介)の違い

一般媒介 専任媒介 専属専任媒介
頼める会社の数 何社でも 1社だけ 1社だけ
自分で見つけた買主との直接契約 できる できる できない
契約の有効期間 法律の定めなし(標準的な契約書では3か月以内) 3か月以内 3か月以内
レインズへの登録 義務なし 契約の翌日から7日以内 契約の翌日から5日以内
売主への業務の報告 義務なし 2週間に1回以上 1週間に1回以上
購入の申込みがあったときの報告 遅滞なく報告 遅滞なく報告 遅滞なく報告

レインズへの登録の日数は、不動産会社の休業日を除いて数えます。

専任・専属専任の有効期間は3か月を超えられず、長く決めても3か月に短縮されます(同条3項)。

更新は依頼者が申し出たときだけで、自動更新の特約は無効です(同条4項・10項)。

一般媒介

いくつもの不動産会社に同時に頼める契約です。

ほかにどの会社に頼んでいるかを知らせる「明示型」と、知らせない「非明示型」があります。

会社どうしが競うので、人気のある立地の物件では早く決まることがあります。

一方、レインズへの登録や定期的な報告の義務がないので、売主が自分で状況を聞く必要があります。

専任媒介

1社だけに頼む契約です。

不動産会社は、レインズに登録し、2週間に1回以上、売主に状況を報告します。

売主が自分で買主を見つけた場合(親族や隣の人など)は、会社を通さずに契約できます。

専属専任媒介

1社だけに頼み、自分で見つけた買主とも、その会社を通して契約する形です。

登録は5日以内、報告は1週間に1回以上と、会社の義務が最も重くなります。

レインズとは

レインズ(REINS)は、国土交通大臣が指定した不動産流通機構が運営する、物件情報のネットワークです。

登録された物件の情報は、全国の不動産会社の間で共有されます。

つまり、1社にしか頼んでいなくても、ほかの会社が買主を連れてくることができるしくみです。

専任・専属専任で登録すると、不動産会社は「登録証明書」を売主に渡さなければなりません。

これは法律で決められた義務です(宅地建物取引業法34条の2第6項)。

登録証明書は、売り出しが始まったことを確かめる大切な書類なので、必ず受け取りましょう。

囲い込みとは

囲い込みのしくみと、レインズのステータス管理機能での確かめ方

国土交通省は、囲い込みを次のように説明しています。

一部の不動産会社が、売主と買主の両方の仲介をするために、物件の取引状況をわざと隠すことです。

売主の意向に反して、ほかの会社に物件を紹介しない行為を指します。

こうした行為は、早く売れる可能性を狭め、売主や買主の利益を損なうおそれがあるとされています。

売主と買主の両方から手数料を受け取ること自体は、法律で禁じられていません。

問題になるのは、そのためにほかの会社からの問い合わせを断り、売主の機会を減らすことです。

2025年1月から取引状況の登録が義務に

レインズには、物件の取引状況(ステータス)を登録する機能があります。

取引状況 意味
公開中 ほかの会社にも紹介できる状態
書面による購入申込みあり 買いたい人から書面で申込みが入っている
売主都合で一時紹介停止中 売主の事情で紹介を止めている

宅地建物取引業法施行規則の改正で、2025年(令和7年)1月1日から、この取引状況の登録が不動産会社の義務になりました。

同年1月4日からは、登録証明書に二次元コードが載るようになりました。

売主はスマホで読み取るだけで「売主専用画面」を開き、自分の物件の状況を確かめられます。

売主が自分でできる確認

  • 登録証明書を受け取り、二次元コードから売主専用画面を開く
  • 取引状況が「公開中」になっているかを見る
  • 頼んだ覚えがないのに「売主都合で一時紹介停止中」になっていたら、不動産会社に理由を聞く
  • 定期報告で、問い合わせや内見の件数を確かめる

国土交通省は、覚えのない「紹介停止」を事実に反する登録の例として挙げています。

納得できる説明がなければ、都道府県の宅建業の担当窓口や、不動産の業界団体の相談窓口に相談できます。

相続した家を売るときの選び方

相続した家を売るときの媒介契約の選び方の目安

どの契約が正解かは、物件と売主の事情で変わります。

こんな場合 考えやすい契約 理由
駅に近いなど買い手がつきやすい 一般媒介 複数の会社が競って買主を探す
遠方の実家で、こまめに状況を知りたい 専任・専属専任 定期的な報告が義務。窓口が1社で連絡が楽
親族や隣の人が買うかもしれない 一般・専任 自分で見つけた買主と直接契約できる
古い家・再建築が難しい土地 専任、または買取の査定も取る 売り方の工夫が必要。買取と比べて決める

迷うときは、まず複数の会社に査定を頼み、説明の分かりやすさや報告の方法を比べてから決めると安心です。

専任で始めても、3か月の期間が終われば、ほかの会社や一般媒介に切り替えられます。

相続した家ならではの注意

  • 名義:亡くなった人の名義のままでは売れない。先に相続登記をする
  • 共有:共有の家は、共有者全員が売主になる。全員の同意をそろえてから契約する
  • 相続放棄:放棄を考えている人は、売る話を進める前に決める
  • 税金の特例の期限:空き家の3,000万円控除は、相続開始から3年後の年の12月31日までの売却が条件の1つ

相続登記の手順は相続登記の必要書類で確認できます。

売って代金を分ける場合の協議書の書き方は換価分割とはで説明しています。

税金の特例は相続した不動産を売ったときの税金にまとめています。

個別の税額の計算や申告は、税理士または税務署に確認してください。

媒介契約を結ぶ前に確認すること

査定額の根拠

不動産会社は、売り出し価格について意見を言うとき、その根拠を明らかにしなければなりません。

これも法律で決められています(宅地建物取引業法34条の2第2項)。

近くの成約事例などの説明を求めましょう。

相場より大幅に高い査定を出して契約を取り、あとで値下げを勧める会社もあるので、複数の査定を比べることが大切です。

契約書で見るところ

  • 契約の種類(一般・専任・専属専任のどれか)
  • 有効期間(3か月以内か。自動更新になっていないか)
  • レインズに登録する日
  • 報告の回数と方法(メール・書面など)
  • 仲介手数料の額と支払う時期
  • 建物状況調査(インスペクション)のあっせんの有無
  • 特別に頼んだ広告の費用の扱い

国土交通省は「標準媒介契約約款」を定めており、多くの会社がこれに沿った契約書を使っています。

契約書に「標準媒介契約約款に基づく契約」かどうかが書かれているので、確かめましょう。

建物状況調査については建物状況調査(インスペクション)とはで説明しています。

査定から引渡しまでの流れ

  • STEP 1
    査定を頼む
    複数の会社に頼み、査定額と根拠を比べる
  • STEP 2
    媒介契約を結ぶ
    種類と期間を決め、契約書を受け取る
  • STEP 3
    売り出し
    レインズへの登録や広告が始まる。登録証明書を受け取る
  • STEP 4
    内見・交渉
    購入の申込みが入ったら、条件を話し合う
  • STEP 5
    売買契約
    重要事項の説明のあと契約し、手付金を受け取る
  • STEP 6
    決済・引渡し
    残りの代金を受け取り、名義を買主に移す

売ったあとに家の不具合が見つかった場合の売主の責任は契約不適合責任とはで説明しています。

媒介契約でよくある失敗

  • いちばん高い査定額を出した会社と契約したが、売れずに値下げを繰り返した
  • 登録証明書をもらわず、レインズに登録されたかを確かめなかった
  • 報告が来ないまま3か月がすぎ、そのまま更新してしまった
  • 共有者の1人が反対し、買主が決まってから話が止まった
  • 相続登記が終わっておらず、契約の直前に手続きで時間がかかった

どれも、契約の前に確認し、売り出し後に自分で状況を見ることで防げます。

不動産会社に聞くことチェックリスト(Word・無料)

査定から売り出し後までに確認したい21項目を、Wordのチェックリストにしました。

2社以上で同じ項目を聞くと、対応の違いが分かります。

途中で解約・変更したいとき

専任・専属専任の契約は、3か月の期間が終われば更新しないことを選べます。

期間の途中でも、不動産会社が義務を果たさない場合などは、契約を解除できることがあります。

売主の都合で途中解約する場合、標準媒介契約約款では、それまでにかかった費用を請求されることがあります。

専任・専属専任の期間中に、ほかの会社の仲介で売ると、違約金を請求されることがあるので注意しましょう。

仲介と買取の査定を比べる

不動産会社に買主を探してもらう「仲介」のほかに、不動産会社が自分で買い取る「買取」もあります。

買取は早く手放せますが、価格は仲介より低くなるのが一般的です。

古い家や権利関係が複雑な家は、仲介と買取の両方の査定を取ると判断しやすくなります。

次の窓口では、無料で売却の相談や査定を申し込めます。

相続放棄を考えている場合は、査定や売却の話を進める前に、放棄するかどうかを決めてください(民法921条1号)。

相続した不動産の売却・買取の相談先(比較)

実家の状態によっては、仲介より買取のほうが早く手放せることがあります。

相談先 向いているケース 注意点
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住める状態の家・マンション・土地を仲介で売る 複数の不動産会社の訪問査定を一度に申し込める
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住める状態の家は仲介の査定、傷みが大きい家や権利関係が複雑な家は買取の査定も取り、両方の金額を比べてから売り方を決めましょう。

売るときに権利証がない場合の手続きは、権利証・登記識別情報をなくしたら(相続登記と売却の方法)で確認できます。

よくある質問

専任媒介と一般媒介、どちらが高く売れますか?

契約の種類だけで価格が決まるわけではありません。

物件の条件と、不動産会社の販売活動によって変わるので、説明と報告の内容で選びましょう。

一般媒介でもレインズに登録してもらえますか?

義務はありませんが、頼めば登録してもらえることがあります。

契約の前に、登録するかどうかを確認しましょう。

専任媒介を3か月たたずにやめられますか?

不動産会社が登録や報告の義務を果たしていない場合などは、解除できることがあります。

自分の都合でやめる場合は、契約書の定めにより費用を求められることがあります。

売主専用画面はどうやって見ますか?

登録証明書に書かれた二次元コードを読み取るか、記載されたIDとパスワードでレインズの売主専用画面に入ります。

登録証明書をもらっていない場合は、不動産会社に渡してもらいましょう。

共有名義の実家は、1人だけで媒介契約できますか?

家全体を売るには、共有者全員が売主になる必要があります。

あとでもめないよう、媒介契約の段階から全員の同意をそろえておきましょう。

まとめ

  • 媒介契約は一般・専任・専属専任の3種類。専任と専属専任は1社だけで、期間は3か月以内
  • 専任は7日以内・専属専任は5日以内にレインズへ登録し、定期的に報告する義務がある
  • 2025年1月から取引状況の登録が義務に。売主は登録証明書の二次元コードで確認できる
  • 査定額の根拠を聞き、複数の会社を比べてから契約する
  • 相続した家は、相続登記と共有者全員の同意を先にそろえる

監修者

行政書士(2018年11月開業)・社会保険労務士試験合格。遺産分割協議書の作成や相続人の調査(戸籍の収集)など、相続の書類づくりに携わっています。

このサイトでは、法務局・裁判所・国税庁・金融機関などが公表している一次資料で確かめた内容だけを書いています。詳しくは運営者情報をご覧ください。

参考資料:宅地建物取引業法34条の2、同法施行規則15条の10/国土交通省「レインズの機能強化について、物件の売主向けのリーフレットを作成しました」(令和6年12月24日)・売主向けリーフレット/国土交通省「標準媒介契約約款」/民法921条(2026年10月4日確認)

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