PR

当サイトにはプロモーションが含まれています。

法定相続人の範囲と順位|法定相続分の早見表と代襲相続(図表で解説)

法定相続人の範囲と順位 相続人・戸籍
記事内に広告が含まれています。

誰が相続人になるかは、民法で順番が決まっています。

配偶者は常に相続人になり、それ以外の親族は「子→親→兄弟姉妹」の順に、前の順位の人がいないときだけ相続人になります。

この記事では、民法の条文に沿って、法定相続人の範囲と順位、それぞれの取り分(法定相続分)を図表で整理します。

この記事でわかること
  • 配偶者と、第1順位〜第3順位の相続人
  • 組み合わせごとの法定相続分
  • 孫や甥・姪が相続人になる「代襲相続」の範囲
  • 養子・前妻の子・内縁の配偶者・相続放棄した人の扱い

この記事の監修:行政書士(2018年開業・社会保険労務士試験合格)。法務局・裁判所・国税庁などの一次資料で内容を確認しています。

法定相続人と法定相続分を自動で判定する

家族の状況を選ぶと、誰が相続人になり、それぞれの法定相続分がいくらかを表示します。

民法887条・889条・890条・900条のルールに沿って計算しています。

法定相続人と法定相続分の自動判定

配偶者

子の人数(亡くなった子に子がいれば1人と数える)

人

生きている父母の人数

人

兄弟姉妹(父母とも同じ)の人数

人

父母の一方だけ同じ兄弟姉妹(半血)の人数

人

亡くなった子・兄弟姉妹の代わりに相続する孫・おいめい(代襲相続)は、その1人分を人数で分けます。相続放棄した人は、初めから相続人でなかったものとして数えません(相続税の基礎控除の人数には含めます)。

判定した人数で相続税の目安を出すには、相続税の計算シミュレーションを使ってください。

法定相続人の範囲と順位(早見表)

法定相続人の範囲と順位の図(配偶者は常に相続人、第1順位は子、第2順位は父母、第3順位は兄弟姉妹)

順位 相続人 ポイント
常に 配偶者 下の順位の人と一緒に相続人になる(民法890条)
第1順位 子 子が先に亡くなっていれば孫、孫も亡くなっていればひ孫が代わりに相続人になる(民法887条)
第2順位 直系尊属(父母・祖父母) 子や孫が1人もいないときだけ。父母が健在なら祖父母は相続人にならない(民法889条1項1号)
第3順位 兄弟姉妹 子も親もいないときだけ。兄弟姉妹が先に亡くなっていれば、その子(甥・姪)まで(民法889条)

大事なのは、前の順位の人が1人でもいれば、後の順位の人は相続人にならないことです。

たとえば子が1人でもいれば、亡くなった方の親や兄弟姉妹は相続人になりません。

法定相続分(誰がどれだけ受け取るか)

法定相続分の早見表(配偶者と子・親・兄弟姉妹)

相続人の組み合わせ 配偶者 ほかの相続人
配偶者と子 2分の1 子全員で2分の1
配偶者と直系尊属(親) 3分の2 親全員で3分の1
配偶者と兄弟姉妹 4分の3 兄弟姉妹全員で4分の1
配偶者だけ すべて -
配偶者がいない - その順位の相続人全員で均等に分ける

同じ順位の人が何人かいるときは、原則として均等に分けます(民法900条4号)。

計算の例

  • 妻と子2人:妻2分の1、子はそれぞれ4分の1(2分の1を2人で分ける)
  • 妻と父母:妻3分の2、父・母はそれぞれ6分の1
  • 妻と兄・妹:妻4分の3、兄・妹はそれぞれ8分の1
  • 子3人だけ:それぞれ3分の1

父母の一方だけが同じ兄弟姉妹(半血兄弟)

兄弟姉妹が相続人になるとき、父母の一方だけが同じ兄弟姉妹(異母・異父の兄弟姉妹)の相続分は、父母の両方が同じ兄弟姉妹の2分の1です(民法900条4号ただし書)。

この扱いは兄弟姉妹が相続人になる場合だけです。

亡くなった方の子であれば、前妻との子も今の配偶者との子も、相続分は同じです。

法定相続分は、遺産分割協議で全員が合意すれば、そのとおりに分ける必要はありません。

「実家は長男、預金は長女」のように、相続人全員の合意で自由に決められます。

分け方を書面にする方法は遺産分割協議書の書き方で解説しています。

代襲相続(孫・甥・姪が相続人になるとき)

代襲相続の範囲(子の系統と兄弟姉妹の系統)

本来の相続人が、亡くなった方より先に死亡しているときなどに、その子が代わりに相続人になることを代襲相続といいます。

本来の相続人 代わりに相続人になる人 どこまで下がるか
子 孫 孫も亡くなっていればひ孫、と何代でも下がる(民法887条3項)
兄弟姉妹 甥・姪 甥・姪まで。甥・姪の子は代襲しない
親(直系尊属) - 代襲相続はない。父母がいなければ祖父母が第2順位として相続人になる

代襲相続が起きる理由・起きない理由

本来の相続人の状況 代襲相続
亡くなった方より先に死亡していた 起きる
相続欠格(遺言書の偽造など)に当たった 起きる
家庭裁判所の手続きで相続人から廃除された 起きる
相続放棄をした 起きない(初めから相続人でなかったことになるため。民法939条)

子が相続放棄をしても、その子(孫)は代わりに相続人になりません。子全員が放棄すると、第2順位の親に相続権が移ります。

迷いやすいケース

ケース 相続人になるか
養子 なる。相続分も実子と同じ
前妻(前夫)との子 なる。相続分も今の配偶者との子と同じ
婚姻していない相手との子 父が認知していれば、父の相続人になる。相続分は婚姻中の子と同じ
離婚した元配偶者 ならない
内縁の配偶者(婚姻届を出していない) ならない
子の配偶者(息子の妻など) ならない。養子縁組をしていれば子として相続人になる
養子縁組の前に生まれていた養子の子 養子が先に亡くなっても、代襲相続人にならない(亡くなった方の直系卑属でないため。民法887条2項ただし書)
相続開始時にお腹の中にいた子(胎児) 生きて生まれれば、相続人になる

息子の妻が長年介護をしていた場合など、相続人ではない親族が無償で療養看護をしていたときは、相続人に対して「特別寄与料」を請求できる制度があります(2019年7月1日施行)。

相続人を確定させる方法

相続人が誰かは、思い込みではなく戸籍で確かめます。

亡くなった方の出生から死亡までの戸籍をすべて集めると、前の結婚での子や、認知した子、養子がいないかがわかります。

戸籍は、2024年3月1日から本籍地以外の市区町村の窓口でもまとめて請求できるようになりました(広域交付)。

集めた戸籍をもとに法定相続情報一覧図を作っておくと、銀行や法務局の手続きで戸籍の束を出し直さずに済みます。

ケース別:誰が・どれだけ相続するか

ケース別の法定相続分の例

ここでは、よくある家族構成ごとに、相続人と取り分を計算してみます。

自分の家族に近いケースを探してみてください。

家族構成 相続人 取り分
妻と子1人 妻・子 妻1/2、子1/2
妻と子3人 妻・子3人 妻1/2、子は各1/6
妻と子2人(うち1人は先に死亡し、孫が2人) 妻・子1人・孫2人 妻1/2、子1/4、孫は各1/8
子がいない。妻と、夫の母 妻・母 妻2/3、母1/3
子がいない。妻と、夫の兄・妹(親は死亡) 妻・兄・妹 妻3/4、兄・妹は各1/8
子がいない。妻と、夫の兄(死亡)の子2人 妻・甥・姪 妻3/4、甥・姪は各1/8
配偶者はすでに死亡。子2人 子2人 各1/2
独身。親は死亡。兄と異母の弟 兄・異母の弟 兄2/3、異母の弟1/3

最後のケースは、父母の一方だけが同じ兄弟姉妹の相続分が、父母の両方が同じ兄弟姉妹の半分になるためです。

兄を「2」、異母の弟を「1」として、3で割ると考えるとわかりやすくなります。

計算の手順

  1. 配偶者がいるかを確認する
  2. 第1順位(子・孫)から順に、相続人になる人を探す
  3. 配偶者の取り分を先に決める(1/2・2/3・3/4)
  4. 残りを、同じ順位の人数で等しく分ける
  5. 代襲相続人は、本来の相続人の取り分をさらに人数で分ける

相続人になれない人(相続欠格・廃除)

本来は相続人になる人でも、相続できなくなる場合があります。

制度 どんなときか
相続欠格 亡くなった方を故意に死亡させて刑に処せられた、遺言書を偽造・破棄・隠したなど、民法が定める重大な行為をしたとき。手続きなしで相続権を失う
廃除 亡くなった方への虐待や重大な侮辱などがあったとき。亡くなった方が生前に家庭裁判所に請求するか、遺言で意思を示し、家庭裁判所が認めると相続権を失う

相続欠格や廃除で相続権を失った人に子がいる場合、その子が代わりに相続人になります(代襲相続)。

この点が、代襲相続が起きない相続放棄との大きな違いです。

相続人が1人もいないとき

配偶者も子も親も兄弟姉妹もいない場合、相続人がいない状態になります。

この場合、次のような流れになります。

  1. 利害関係のある人などの申立てにより、家庭裁判所が「相続財産清算人」を選ぶ
  2. 清算人が、借金の支払いなど財産の整理をする
  3. 亡くなった方と特別に縁の深かった人(内縁の配偶者や、療養看護をした人など)は、家庭裁判所に申し立てて財産を分けてもらえることがある(特別縁故者)
  4. 残った財産は国のものになる

相続人がいない方が、特定の人に財産を渡したい場合は、遺言書を残しておくことが大切です。

法定相続分と遺留分の違い

「法定相続分」とよく似た言葉に「遺留分」があります。

2つは意味がまったく違うので、ここで整理しておきましょう。

法定相続分 遺留分
意味 遺言がないときの分け方の目安 遺言があっても最低限もらえる取り分
誰にあるか 相続人全員 配偶者・子(孫)・親。兄弟姉妹にはない
割合 配偶者と子なら各1/2など 全体で遺産の1/2(相続人が親だけなら1/3)を、法定相続分で分ける
使われる場面 遺産分割協議の目安 「全財産を長男に」などの遺言で取り分がなかった人が、お金を請求するとき

たとえば、相続人が妻と子2人で、遺言に「全財産を妻に」と書かれていた場合を考えます。

子1人の遺留分は「1/2(遺留分全体)×1/4(法定相続分)=1/8」です。

子は妻に対して、遺産の1/8に当たるお金を請求できます(遺留分侵害額請求)。

相続人を確定させるための戸籍の集め方

相続人を確定させるには、亡くなった方の「出生から死亡まで」の戸籍をすべて集めます。

次の順番で進めると、迷わずに集められます。

  • STEP 1
    最後の本籍地の戸籍を取る
    亡くなった方の死亡が書かれた戸籍から始める
  • STEP 2
    1つ前の戸籍をたどる
    戸籍には「どこから移ってきたか」が書かれているので、それを手がかりに前の戸籍を請求する
  • STEP 3
    出生まで繰り返す
    結婚・転籍・法改正による作り直し(改製)のたびに戸籍が分かれているので、出生の記載が出てくるまでたどる
  • STEP 4
    相続人の今の戸籍を取る
    相続人が生きていることを確認する

2024年3月1日からは、本人・配偶者・父母や祖父母・子や孫の戸籍なら、最寄りの市区町村の窓口でまとめて請求できるようになりました(広域交付)。

兄弟姉妹が相続人になる場合は、兄弟姉妹の戸籍は広域交付の対象外なので、本籍地の市区町村に請求します。

戸籍の手数料の目安

種類 手数料(1通)
戸籍謄本(戸籍全部事項証明書) 450円
除籍謄本・改製原戸籍謄本 750円

亡くなった方の戸籍は、転籍や結婚の回数によって5〜10通ほどになることもあります。

配偶者が自宅に住み続けられる制度

夫が亡くなり、妻が自宅に住み続けたいけれど、自宅を相続すると預金をほとんど受け取れない、というケースがあります。

こうした場合に使えるのが「配偶者居住権」です(2020年4月1日から)。

自宅の権利を「住む権利」と「持ち主としての権利」に分け、配偶者は住む権利だけを取得することで、そのぶん預金なども受け取りやすくなります。

遺産分割協議や遺言で決めることができ、登記をしておく必要があります。

代襲相続については、起きない場合や相続分の計算、必要な戸籍まで代襲相続とはで詳しく解説しています。

相続人を確定させる戸籍の集め方は相続の戸籍謄本の集め方で解説しています。

行方不明の相続人がいる場合の手続きは相続人が行方不明のときで説明しています。

法定相続分が修正される特別受益と寄与分は特別受益と寄与分とはで説明しています。

相続人と財産が確定したら、相続税がかかるかどうかも確認しましょう。

よくある質問

子がいない夫婦で、夫が亡くなりました。妻がすべて相続しますか?

夫の親が健在なら、妻と夫の親が相続人です(妻3分の2・親3分の1)。

親がすでに亡くなっていて夫に兄弟姉妹がいれば、妻と兄弟姉妹が相続人です(妻4分の3・兄弟姉妹4分の1)。

妻だけが相続人になるのは、夫の親も兄弟姉妹(甥・姪を含む)もいない場合です。

祖父母が相続人になることはありますか?

あります。亡くなった方に子や孫がいなくて、父母がどちらも亡くなっているときは、祖父母が第2順位の相続人になります。

兄弟姉妹にも遺留分はありますか?

ありません。遺留分(最低限の取り分)が認められるのは、配偶者・子(代襲した孫を含む)・直系尊属だけです。

養子は何人でも相続人になりますか?

民法上は、養子は人数に関係なく全員が相続人になり、相続分も実子と同じです。

ただし、相続税の基礎控除などを計算するときに数えられる養子の人数には、税法上の上限があります。

相続人の中に行方不明の人がいます

行方不明の人も相続人であることに変わりはありません。

遺産分割をするには、家庭裁判所で「不在者財産管理人」を選んでもらい、その人が代わりに協議に参加します。

内縁の妻は何も受け取れないのですか?

内縁の配偶者は相続人ではないため、遺言がなければ相続できません。

財産を残したい場合は、遺言書で「遺贈する」と書いておくことが大切です。

相続人がいない場合は、特別縁故者として家庭裁判所に申し立てる方法もあります。

孫が相続人になるのはどんなときですか?

孫が相続人になるのは、主に2つの場合です。

1つは、孫の親(亡くなった方の子)が、亡くなった方より先に死亡していた場合です(代襲相続)。

もう1つは、亡くなった方が孫と養子縁組をしていた場合で、このときは孫が「子」として相続人になります。

再婚相手の連れ子は相続人になりますか?

再婚相手の連れ子は、そのままでは相続人になりません。

亡くなった方と養子縁組をしていれば、実子と同じように相続人になります。

ケース別の詳しい解説は、次の記事を参考にしてください。

まとめ

  • 配偶者は常に相続人。ほかは子→親→兄弟姉妹の順で、前の順位がいないときだけ相続人になる
  • 法定相続分は、配偶者と子なら2分の1ずつ、親なら3分の2と3分の1、兄弟姉妹なら4分の3と4分の1
  • 代襲相続は、子の系統なら何代でも、兄弟姉妹の系統なら甥・姪まで
  • 相続放棄をした人の子は代襲しない
  • 相続人は、亡くなった方の出生から死亡までの戸籍で確定させる

監修者

行政書士(2018年11月開業)・社会保険労務士試験合格。遺産分割協議書の作成や相続人の調査(戸籍の収集)など、相続の書類づくりに携わっています。

このサイトでは、法務局・裁判所・国税庁・金融機関などが公表している一次資料で確かめた内容だけを書いています。詳しくは運営者情報をご覧ください。

参考資料:民法887条・889条・890条・900条・939条(e-Gov法令検索)

タイトルとURLをコピーしました