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遺産分割協議書の書き方|法務局の記載例に沿ったWord雛形4パターン(無料)

遺産分割協議書の書き方 遺産分割協議書・書式
記事内に広告が含まれています。

遺産分割協議書は、相続人全員で「誰がどの遺産を受け取るか」を話し合って決めた内容を書面にしたものです。

不動産の相続登記や、預貯金の解約・名義変更で提出を求められます。

この記事では、法務局が公表している記載例に沿って、書き方を順番に説明します。

そのまま書き換えて使えるWordの雛形(4パターン)も配布しています。

この記事でわかること
  • 遺産分割協議書が必要になる場面と、要らない場面
  • 書き始める前にそろえる書類
  • 不動産・預貯金の書き方と、署名・実印・印鑑証明書のルール
  • 未成年の相続人がいるときなど、自分たちだけでは進められないケース

この記事の監修:行政書士(2018年開業・社会保険労務士試験合格)。法務局・裁判所・国税庁などの一次資料で内容を確認しています。

遺産分割協議書ができるまでの流れ(相続人の確定から名義変更までの5ステップ)

遺産分割協議書のWord雛形(4パターン・無料)

よくある分け方を4つ用意しました。1つのWordファイルに、1ページずつ入っています。

使うパターンのページだけを残して、〇〇の部分を書き換えてください。

パターン こんなときに使う
1. 不動産を相続人1人が取得する 実家の土地・建物を長男が引き継ぐなど。法務局の記載例と同じ形です
2. 不動産と預貯金を相続人ごとに分ける 不動産は長男、A銀行の預金は長女、B信用金庫の預金は次男、のように分ける
3. 代償分割 不動産を取得した人が、ほかの相続人にお金を払って調整する
4. 相続人1人がすべての遺産を取得する 母がすべて引き継ぐなど。主な遺産を列挙する形にしています

遺産分割協議書の雛形をダウンロード(Word)

どのパターンにも「記載のない遺産や後から見つかった遺産は誰が取得するか」という条項を入れています。

この条項がないと、後から通帳が1冊見つかっただけで、相続人全員で協議をやり直すことになるためです。

遺産分割協議書が必要になる場面・要らない場面

遺産分割協議書が必要になる場面と作らなくてよい場面

必要になる場面

  • 不動産の相続登記:遺産分割で不動産を取得した人が登記するとき、法務局に提出します
  • 預貯金・株式の手続き:金融機関や証券会社で、解約や名義変更をするときに求められます
  • 相続税の申告:遺産分割の内容を示す書類として、申告書に添付します

作らなくてよい場面

  • 相続人が1人しかいない
  • 遺言書があり、すべての遺産の行き先が遺言で決まっている
  • 不動産を法定相続分どおりの持分で、相続人全員の共有として登記する

ただし、法定相続分どおりの共有にすると、後で売却するときに共有者全員の同意が必要になります。

実家を誰か1人が引き継ぐなら、遺産分割協議で決めておくのが一般的です。

書き始める前にそろえる書類

書類 何に使うか 取得先
亡くなった方の出生から死亡までの戸籍謄本 相続人が誰かを確定する 市区町村役場
相続人全員の戸籍謄本 相続人が生存していることを示す 市区町村役場
相続人全員の印鑑証明書 協議書に押した印が実印であることを示す 住所地の市区町村役場
不動産の登記事項証明書 協議書に不動産を正確に書き写す 法務局
固定資産税の納税通知書・評価証明書 不動産の漏れを防ぐ(私道なども載っている) 市区町村役場
通帳・残高証明書 金融機関名・支店・口座番号を書き写す 各金融機関

戸籍謄本は、2024年3月1日から、本籍地以外の市区町村の窓口でもまとめて請求できるようになりました(戸籍証明書の広域交付)。

亡くなった方の本籍地が何度も変わっていても、最寄りの役場1か所で出生から死亡までの戸籍をそろえられます。

請求できるのは本人・配偶者・父母や祖父母・子や孫などに限られ、請求する人が窓口に行く必要があります(郵送・代理人による請求は不可。コンピュータ化されていない一部の戸籍は対象外)。

遺産分割協議書の書き方(7つのポイント)

遺産分割協議書に書く6つのこと

1. 亡くなった方(被相続人)を特定する

氏名と死亡日に加えて、本籍と最後の住所を書きます。同姓同名の人と取り違えないためです。

雛形では、生年月日も書く欄を設けています。

2. 相続人全員が参加する

遺産分割協議は、相続人全員でしなければ成立しません。1人でも欠けた協議書は、相続登記や金融機関の手続きで使えません。

協議書は全員が同じ場所で署名しなくてもかまいません。

同じ内容の協議書を郵送で順番に回して、1人ずつ署名・押印する方法もよく使われます。

3. 不動産は登記事項証明書のとおりに書く

不動産は、普段使っている住所ではなく、登記事項証明書(登記簿)に書かれているとおりに書き写します。

土地 建物
所在・地番・地目・地積 所在・家屋番号・種類・構造・床面積

とくに間違えやすいのが「地番」です。郵便物が届く住所(住居表示)と、登記上の地番は、番号が違うことがよくあります。

住所をそのまま書くと、相続登記で協議書の不動産と登記簿の不動産が一致せず、手続きが止まります。

4. 預貯金は口座を特定して書く

「〇〇銀行 〇〇支店 普通預金 口座番号〇〇〇〇〇〇〇」のように、金融機関名・支店名・預金の種類・口座番号を書きます。

金額は日々の利息で変わるため、書かないか、「相続開始日以降の利息を含む」と添える書き方が一般的です。

5. 後から見つかった遺産の扱いを決めておく

「本協議書に記載のない遺産及び後日判明した遺産は、相続人〇〇が取得する」という条項を入れておくと、少額の口座が後から見つかっても協議をやり直さずに済みます。

6. 署名して実印を押し、印鑑証明書を付ける

相続人全員が、住所と氏名を書いて、印鑑証明書と同じ印(実印)を押します。住所は住民票・印鑑証明書のとおりに書きます。

法務局の案内では、相続登記に添付する印鑑証明書について「作成後3か月以内のものといった制約はありません」とされています。

一方、金融機関は独自に有効期限を決めていることがあるため、提出先ごとに確認してください。

7. 人数分を作り、2枚以上なら契印を押す

協議書は相続人の人数分を作り、全員が署名・押印したものを1通ずつ持ちます。

2枚以上になるときは、各ページのつなぎ目に、相続人全員の実印で契印を押します。ページの差し替えがないことを示すためです。

自分たちだけでは進められないケース

ケース 必要になる手続き
親と未成年の子がともに相続人になる 家庭裁判所で子の特別代理人を選んでもらう(親と子の利益が相反するため)
認知症などで判断能力が十分でない相続人がいる 成年後見人などが本人に代わって協議に参加する
連絡が取れない・行方がわからない相続人がいる 家庭裁判所で不在者財産管理人を選んでもらう
相続放棄をした人がいる その人は初めから相続人でなかったことになるため、協議に加わらない

家庭裁判所に出す書類の作成は、弁護士・司法書士の業務です。上の表に当てはまる場合は、早めに相談先を探してください。

遺産分割協議に期限はある?

遺産分割協議そのものに期限はありません。ただし、次の3つの期限があるため、放っておくと不利になります。

期限 内容
相続登記:3年以内 不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に登記する義務があります(2024年4月1日から)。遺産分割で取得した場合は、分割の日から3年以内にその内容の登記が必要です。正当な理由なく登記しないと、10万円以下の過料の対象になります。2024年4月1日より前に相続した不動産も対象で、期限は2027年3月31日です
相続税の申告:10か月以内 相続税がかかる場合、相続の開始を知った日の翌日から10か月以内に申告・納付します
特別受益・寄与分の主張:10年 相続開始から10年を過ぎると、生前贈与(特別受益)や介護の貢献(寄与分)を考慮した分け方を、原則として主張できなくなります(2023年4月1日施行の民法改正)

財産の種類ごとの書き方(文例集)

協議書の中で一番間違えやすいのが、財産の書き方です。

ここでは、よく出てくる財産ごとに、そのまま書き写せる文例をまとめました。

土地

相続人〇〇〇〇は、次の土地を取得する。
所 在 〇〇市〇〇町〇丁目
地 番 〇番〇
地 目 宅地
地 積 〇〇〇.〇〇平方メートル

登記事項証明書の「表題部」に書かれている内容を、そのまま写します。

地積の数字も、小数点以下まで正確に書きます。

建物

相続人〇〇〇〇は、次の建物を取得する。
所 在 〇〇市〇〇町〇丁目〇番地〇
家屋番号 〇番〇
種 類 居宅
構 造 木造瓦葺2階建
床面積 1階 〇〇.〇〇平方メートル 2階 〇〇.〇〇平方メートル

物置や車庫が別の建物として登記されていることがあります。

登記事項証明書を取るときは、敷地の上にある建物をすべて確認しましょう。

マンション(区分所有建物)

マンションは、建物全体の表示と、自分の部屋の表示、敷地権の表示に分かれています。

書く量が多いので、登記事項証明書のコピーを見ながら、1行ずつ写すのが確実です。

分量が多いときは「別紙物件目録記載の不動産」と書き、物件目録を別の紙にまとめる方法もあります。

その場合も、別紙を含めて全員の実印で契印を押します。

預貯金

相続人〇〇〇〇は、次の預金及びその相続開始日以降の利息を取得する。
〇〇銀行 〇〇支店 普通預金 口座番号〇〇〇〇〇〇〇

ゆうちょ銀行の場合は「ゆうちょ銀行 通常貯金 記号〇〇〇〇〇 番号〇〇〇〇〇〇〇〇」と書きます。

定期預金が複数あるときは、1口ずつ書くか、「〇〇銀行〇〇支店の被相続人名義の預金全部」とまとめて書きます。

株式・投資信託

相続人〇〇〇〇は、〇〇証券株式会社〇〇支店に預託している被相続人名義の株式、投資信託その他一切の金融資産を取得する。

銘柄が多いときは、このように証券会社の口座ごとにまとめて書くと、書き漏れを防げます。

受け取る人は、同じ証券会社に自分名義の口座を用意しておく必要があります。

自動車

相続人〇〇〇〇は、次の自動車を取得する。
自動車登録番号 〇〇〇〇〇〇〇〇
車台番号 〇〇〇〇〇〇〇〇

車検証に書かれている登録番号と車台番号を写します。

お金で分ける(換価分割)

相続人〇〇〇〇は、第〇条記載の不動産を売却し、売却代金から売却に要した費用を差し引いた残額を、相続人〇〇〇〇及び相続人〇〇〇〇に各2分の1の割合で分配する。

実家を売って代金を分ける場合は、この形にします。

売却の手続きをする人を決めておくと、名義変更や契約がスムーズに進みます。

よくある失敗と防ぎ方

遺産分割協議書を出す前のチェックリスト

協議書は、金融機関や法務局で「使えません」と言われると、全員に署名・押印をやり直してもらうことになります。

よくある失敗を、先に知っておきましょう。

失敗 どうなるか 防ぎ方
相続人が1人抜けていた 協議そのものが無効 出生から死亡までの戸籍を全部集めて確認する
地番ではなく住所を書いた 登記で不動産を特定できない 登記事項証明書を見て写す
実印ではない印を押した 登記・銀行で受け付けられない 印鑑証明書と見比べて押す
住所が印鑑証明書と違う 本人確認で止まることがある 印鑑証明書のとおりに書く
2枚目以降に契印がない 差し替えを疑われる 全員の実印で各ページのつなぎ目に押す
財産が書き漏れていた その財産だけ協議のやり直し 「後日判明した遺産」の条項を入れる

郵送で協議書を回すときの手順

相続人が遠方に住んでいても、郵送で協議書を完成させられます。

次の順番で進めると、やり直しが減ります。

  1. 分け方の案をメモにまとめ、電話やメールで全員の合意を取る
  2. 合意した内容で協議書を人数分印刷する
  3. 1人目が全部に署名・実印を押し、印鑑証明書と一緒に次の人へ送る
  4. 最後の人まで回ったら、とりまとめ役が1通ずつ返送する

送るときは、書留やレターパックなど、追跡できる方法を使うと安心です。

「どこに押すか」を付箋で示しておくと、押し間違いを防げます。

話し合いがまとまらないとき

相続人の間で意見が合わないときは、家庭裁判所の「遺産分割調停」を使う方法があります。

調停では、調停委員が間に入って、それぞれの言い分を聞きながら合意を目指します。

調停でもまとまらなければ、裁判官が分け方を決める「審判」に移ります。

相手と直接話すのがつらい場合や、すでに対立している場合は、早めに弁護士に相談してください。

遺産の分け方は4種類

遺産の分け方4種類(現物分割・代償分割・換価分割・共有分割)

遺産分割協議で決める「分け方」には、大きく4つの方法があります。

財産の種類や、相続人の希望に合わせて選びます。

分け方 やり方 向いているケース 注意点
現物分割 財産をそのままの形で分ける(家は長男、預金は長女など) 財産が複数あり、ほぼ公平に分けられる 価値に差があると不公平感が出やすい
代償分割 1人が財産を取得し、ほかの相続人にお金を払う 実家を誰か1人が引き継ぎたい 取得する人に支払うお金が必要
換価分割 財産を売ってお金に換え、そのお金を分ける 誰も実家に住まない 売却の手間と費用、税金がかかる
共有分割 財産を複数の相続人の共有にする すぐに決められないとき 売るときに全員の同意が必要。将来もめやすい

実家が遺産の大部分を占める家庭では、代償分割か換価分割を選ぶことが多くなります。

共有分割は手軽に見えますが、問題を先送りにするだけになりやすいので、慎重に考えましょう。

遺産に不動産があり、売って代金を分ける(換価分割)場合は、売り方と査定額を先に比べておくと話し合いが進めやすくなります。

相続放棄を考えている人がいる場合は、売却の話を進める前に、放棄するかどうかを決めてください(民法921条1号)。

相続した不動産の売却・買取の相談先(比較)

実家の状態によっては、仲介より買取のほうが早く手放せることがあります。

相談先 向いているケース 注意点
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手続き先ごとに一緒に出す書類

協議書は、単独では使えません。手続き先ごとに、次のような書類と一緒に出します。

手続き先 協議書と一緒に出す主な書類
法務局(相続登記) 亡くなった方の出生から死亡までの戸籍、住民票の除票(または戸籍の附票)、相続人の戸籍、相続人全員の印鑑証明書、不動産を取得する人の住民票、固定資産課税明細書、登記申請書
銀行・信用金庫 戸籍一式(または法定相続情報一覧図の写し)、相続人全員の印鑑証明書、通帳・キャッシュカード、金融機関の所定の用紙
証券会社 戸籍一式、印鑑証明書、所定の用紙、受け取る人名義の証券口座
税務署(相続税の申告) 申告書、戸籍一式、協議書の写し、印鑑証明書など

法務局の案内では、相続登記に使う印鑑証明書や戸籍には有効期限がありません。

一方、金融機関は独自に期限を決めていることがあるので、手続きの前に確認しておくと二度手間を防げます。

未成年の相続人がいるとき(特別代理人)

父が亡くなり、母と未成年の子が相続人になるケースはよくあります。

この場合、母が子の代わりに協議書に署名することはできません。母と子の利益がぶつかる(利益相反)ためです。

家庭裁判所に「特別代理人」を選んでもらい、特別代理人が子の代わりに協議に参加します。

項目 内容(裁判所の案内より)
申立てできる人 親権者、利害関係人
申立先 子の住所地の家庭裁判所
費用 子1人につき収入印紙800円分と、連絡用の郵便切手

申立てのときには、遺産分割協議書の案を出すのが一般的です。

家庭裁判所は、その案が子にとって不利でないかを見て、特別代理人を選びます。

子が2人以上いる場合は、子ごとに別々の特別代理人が必要です。

相続税の申告と遺産分割の関係

相続税がかかる家庭では、遺産分割がいつ終わるかが、税金の額に影響することがあります。

配偶者の税額軽減や、自宅の土地の評価を下げる特例(小規模宅地等の特例)は、原則として遺産分割が終わっていることが使う条件になっているためです。

申告期限(10か月)までに分割が終わらない場合は、いったん法定相続分で分けたものとして申告し、あとで分割が決まってから手続きをすることになります。

相続税がかかりそうなら、協議の段階から税理士に相談しておくと安心です。

協議書づくりで相談できる専門家

士業によって、扱える仕事の範囲が法律で決まっています。

何を頼みたいかで、相談先を選びましょう。

頼みたいこと 相談先
戸籍を集めて相続人を調べたい/協議書を作ってほしい 行政書士・司法書士・弁護士
不動産の相続登記をしてほしい 司法書士
相続税の計算や申告をしてほしい 税理士
相続人同士でもめている/代わりに交渉してほしい 弁護士

相続人の間に争いがなく、財産も少ない場合は、この記事の雛形を使って自分で作ることも十分できます。

全員が集まれないときの「遺産分割協議証明書」

相続人が多い、または遠方に散らばっている場合は、「遺産分割協議証明書」という形で作る方法もあります。

協議書は1枚の書面に全員が署名しますが、協議証明書は、同じ内容の書面を相続人ごとに1通ずつ作り、それぞれが自分の分に署名・押印します。

遺産分割協議書 遺産分割協議証明書
書面の数 1つの書面に全員が署名 相続人ごとに1通ずつ
署名の回し方 郵送で順番に回す 各自に同時に送れる
向いているケース 相続人が少ない 相続人が多い・遠方にいる
注意点 回すのに時間がかかる 全員分の内容が一字一句同じでないと使えない

協議証明書の書き出しは、次のようになります。

遺産分割協議証明書
被相続人〇〇〇〇(令和〇年〇月〇日死亡)の相続人全員は、被相続人の遺産について協議を行い、次のとおり分割することに合意したことを証明する。

その後に、協議書と同じ内容で「誰が何を取得するか」を書き、最後に署名する相続人1人分の住所・氏名・実印の欄を設けます。

送り返してもらった全員分をまとめて、手続き先に出します。

認知症の相続人がいるとき

相続人の中に、認知症などで判断する力が十分でない人がいると、その人は遺産分割協議に参加できません。

家族が代わりに署名しても、協議は無効になってしまいます。

この場合は、家庭裁判所に申し立てて、成年後見人などを選んでもらい、後見人が本人に代わって協議に参加します。

後見人は本人の財産を守る立場なので、本人の取り分を極端に少なくする分け方には同意できないのが原則です。

また、後見は遺産分割が終わったあとも、本人が亡くなるまで続くのが原則です。

申し立てる前に、こうした点を理解しておきましょう。

協議書ができるまでの期間の目安

家庭によって違いますが、協議書が完成するまでの流れは、おおむね次のようになります。

段階 やること かかりやすい期間
戸籍集め 出生から死亡までの戸籍、相続人の戸籍 広域交付を使えば短くなる。郵送で請求すると数週間かかることも
財産の確認 通帳・郵便物・固定資産税の通知書を調べる 数週間
話し合い 分け方を決める 家族の状況次第
協議書の作成と署名 印刷して全員の署名・実印をもらう 郵送で回すなら数週間

相続税の申告が必要な家庭では、10か月の期限から逆算して、少なくとも数か月前には話し合いを始めておくと安心です。

相続人どうしの話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所の調停を使えます。

詳しくは遺産分割調停とはで解説しています。

協議書を使う手続きと必要書類は相続手続きの必要書類一覧表にまとめています。

不動産を売って分ける場合の協議書の書き方は換価分割とはで説明しています。

生前の贈与で使う契約書は贈与契約書の書き方と記載例で紹介しています。

不動産の表示は登記事項証明書のとおりに書きます。取り方は登記簿謄本の取り方で説明しています。

相続人に行方不明の人がいる場合は相続人が行方不明のときの遺産分割を参考にしてください。

生前贈与や介護の貢献を分け方に反映させる方法は特別受益と寄与分とはで説明しています。

立て替えた葬儀費用の扱いは葬儀費用は誰が払う?で説明しています。

手続きを相続人の1人にまとめて任せるときは、相続の委任状の書き方(Wordひな形5パターン・無料)が使えます。

話し合いがまとまらず登記の期限が近いときは、相続人申告登記のやり方(必要書類・申出書の書き方)で義務を果たす方法があります。

財産が多いときに協議書に添える財産目録は、財産目録の書き方とひな形(Excel・Word・無料)で配布しています。

遺産分割協議書で配偶者居住権を定める文例は配偶者居住権とはで説明しています。

よくある質問

遺産分割協議書は手書きでないといけませんか?

パソコンで作ってかまいません。法務局の記載例も、本文は印字し、相続人が署名・押印する形です。

氏名は自署にしておくと、本人が合意したことの証明として確実です。

法務局で協議書の書き方を相談できますか?

法務局の案内には、遺産の分け方や遺産分割協議書の作成についての相談には応じられないと書かれています。

相続登記の申請書の書き方は、法務局の手続案内(予約制)で相談できます。

協議書に押す印鑑は認印でもいいですか?

相続登記や金融機関の手続きに使うなら、実印を押して印鑑証明書を付けます。認印では手続きに使えません。

相続人が遠方に住んでいて集まれません

同じ協議書を郵送で回して、1人ずつ署名・押印してもらう方法で作れます。

内容をまとめたメモを先に共有し、全員の合意を取ってから協議書を回すと、書き直しが減ります。

協議書は何通作ればいいですか?

相続人の人数分を作るのが一般的です。

全員が1通ずつ原本を持っておくと、後で「そんな内容に合意していない」という争いを防げます。

協議書に有効期限はありますか?

協議書そのものに有効期限はありません。

ただし、添付する印鑑証明書は、金融機関によっては発行から一定期間内のものを求められます。

協議書を作ったあとで、やり直せますか?

相続人全員が合意すれば、作り直すこと自体はできます。

ただし、やり直しによる財産の移動が、税金の面で贈与として扱われるおそれがあります。

やり直す前に税理士や税務署に確認してください。

協議書に相続人の生年月日は必要ですか?

法律上の決まりはありませんが、法務局の記載例では住所と氏名だけです。

同姓同名の人がいて取り違えのおそれがある場合などは、生年月日を書いておくと確実です。

相続人の1人が海外に住んでいます

海外に住んでいて日本に住民登録がない人は、印鑑証明書を取れません。

その場合は、住んでいる国の日本の在外公館(大使館・総領事館)で「署名証明」を取り、印鑑証明書の代わりにするのが一般的です。

協議書は自分で作っても法的に有効ですか?

有効です。専門家が作らなければいけないという決まりはありません。

相続人全員が合意し、全員が署名・押印していれば、自分で作った協議書でも相続登記や銀行の手続きに使えます。

相続人の1人が署名を拒んでいます

1人でも署名しなければ、協議書は完成しません。

話し合いで解決できない場合は、家庭裁判所の遺産分割調停を利用することになります。

まとめ

  • 遺産分割協議書は、相続人全員が参加し、全員が署名・実印を押して作る
  • 不動産は登記事項証明書のとおりに、預貯金は口座を特定して書く
  • 「後から見つかった遺産」の条項を入れておくと、協議のやり直しを防げる
  • 相続登記の義務(3年)と相続税の申告(10か月)の期限に注意する

雛形は上のダウンロードボタンから入手できます。

まずは戸籍と登記事項証明書をそろえて、相続人と財産を確定させるところから始めてください。

監修者

行政書士(2018年11月開業)・社会保険労務士試験合格。遺産分割協議書の作成や相続人の調査(戸籍の収集)など、相続の書類づくりに携わっています。

このサイトでは、法務局・裁判所・国税庁・金融機関などが公表している一次資料で確かめた内容だけを書いています。詳しくは運営者情報をご覧ください。

参考資料:法務局「相続登記申請手続のご案内(遺産分割協議編)」(令和8年4月)/法務省「相続登記の義務化についてのQ&A」/法務省「戸籍法の一部を改正する法律について(令和6年3月1日施行)」

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