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株式の相続手続き|口座の探し方(ほふり)・必要書類・相続税での評価

株式の相続手続き 相続手続き
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亡くなった家族が株式や投資信託を持っていた場合、相続人は、それを自分の証券口座に移す(名義を変える)手続きをします。

預金と違って、株式は「どこの証券会社に口座があるのか」がわかりにくく、売るにも名義を変えてからでないとできません。

この記事では、株式の相続手続きの流れ、口座の探し方(ほふりへの開示請求)、必要書類、相続税での評価の考え方を、わかりやすく説明します。

先に結論
  • 株式は、亡くなった方の口座から相続人の証券口座へ移す(移管)。移したあとで売れる
  • 受け取る人は、同じ証券会社に口座を作るのが一般的
  • 口座がわからなければ、証券保管振替機構(ほふり)に開示請求をすると、証券会社がわかる
  • ほふりの開示請求の費用は、2026年10月1日から法定相続人は6,050円(一覧図あり)/7,700円(一覧図なし)

この記事の監修:行政書士(2018年開業・社会保険労務士試験合格)。法務局・裁判所・国税庁などの一次資料で内容を確認しています。

株式の相続手続きの流れ

株式の相続手続きの流れ

  • STEP 1
    証券会社に連絡する
    亡くなったことを伝えると、口座が止まり、手続きの書類が届く
  • STEP 2
    残高を確認する
    どの銘柄を何株持っているかを確認する。相続税の申告が必要なら、残高証明書を取る
  • STEP 3
    誰が受け継ぐかを決める
    遺言書、または遺産分割協議で決める
  • STEP 4
    受け取る人の口座を作る
    同じ証券会社に、相続人名義の口座を作る
  • STEP 5
    書類を出す
    証券会社所定の依頼書、戸籍、印鑑証明書、遺産分割協議書などを出す
  • STEP 6
    移管が完了する
    相続人の口座に株式が移る。売るのはこのあと

株式は「移してから売る」

預金は解約して現金で受け取れますが、上場株式は、亡くなった方の口座のまま売って現金を分けることが一般的にはできません。

まず相続人の口座に移し、そのあとで売却します。

「現金で分けたい」場合も、いったん誰かの口座に移してから売り、その代金を分ける流れになります。

口座がどこにあるかわからないとき

ほふりの開示請求の費用(2026年10月1日から)

手がかりを探す

  • 証券会社から届く取引報告書・残高報告書などの郵便物
  • 通帳の入出金(証券会社への入金、配当金の入金)
  • 株主総会の招集通知や配当金のお知らせ
  • パソコンやスマートフォンの証券アプリ・メール

配当金のお知らせからは、どの会社の株を持っていたかがわかります。

ほふりに開示請求をする

手がかりがない場合は、証券保管振替機構(ほふり)に「登録済加入者情報の開示請求」をすると、亡くなった方が口座を開設していた証券会社などがわかります。

ほふりの案内によると、開示請求の費用は2026年10月1日から次のとおりです(開示請求書を出した郵便の消印日で判断)。

請求する人 費用(税込)
法定相続人(法定相続情報一覧図を使う) 6,050円
法定相続人(法定相続情報一覧図を使わない) 7,700円
遺言執行者 6,050円

調べる住所が2件以上ある場合は、2件目から1件あたり1,100円(税込)が加わります。

法定相続情報一覧図を使うと費用が安くなるので、先に一覧図を作っておくのがおすすめです。

作り方は法定相続情報一覧図の作り方で解説しています。

開示請求でわかるのは口座のある証券会社などで、株式の銘柄や数まではわかりません。

残高は、わかった証券会社に問い合わせて確認します。

株式の相続に必要な書類

必要書類は証券会社ごとに違いますが、一般的には次のようなものです。

書類 ポイント
証券会社所定の相続手続依頼書 連絡後に届く。受け取る人が記入し、実印を押す
亡くなった方の戸籍謄本(出生から死亡まで) 法定相続情報一覧図の写しで代えられることが多い
相続人の戸籍謄本 同上
印鑑証明書 相続人全員、または受け取る人。有効期限は証券会社ごとに違う
遺産分割協議書、または遺言書 自筆の遺言は検認済みのもの(法務局に預けた遺言は遺言書情報証明書)
受け取る人の口座情報 同じ証券会社の口座

遺産分割協議書に株式を書くときは、証券会社の口座ごとにまとめて書くと、銘柄の書き漏れを防げます。

相続人〇〇〇〇は、〇〇証券株式会社〇〇支店に預託している被相続人名義の株式、投資信託その他一切の金融資産を取得する。

協議書の作り方は遺産分割協議書の書き方|Word雛形4パターンで解説しています。

見落としやすい株式

相続で見落としやすい株式

特別口座にある株式

2009年の株券電子化のときに証券会社に預けていなかった株式は、「特別口座」で管理されていることがあります。

特別口座は、その会社の株主名簿を管理する信託銀行など(株主名簿管理人)が扱っています。

配当金のお知らせなどに書かれた株主名簿管理人に問い合わせましょう。

単元未満株

株式の分割などで、売買の単位(単元)に満たない株式(単元未満株)を持っていることもあります。

単元未満株も相続財産です。証券会社や株主名簿管理人で、買取請求などの手続きができる場合があります。

非上場株式(家族経営の会社の株)

家業の会社の株を持っていた場合も、相続財産になります。

非上場株式は、会社の定款で譲渡や相続について決まりがあることもあるので、会社にも確認しましょう。

相続税での株式の評価

上場株式の相続税評価(4つの価格のうち最も低い価格)

相続税がかかる家庭では、株式を「いくら」として計算するかが問題になります。

上場株式の評価

上場株式は、次の4つの価格のうち、最も低い価格で評価します。

  1. 亡くなった日の終値
  2. 亡くなった月の終値の月平均
  3. 亡くなった月の前月の終値の月平均
  4. 亡くなった月の前々月の終値の月平均

株価の変動があっても、少しでも有利な価格で評価できる仕組みです。

投資信託の評価

投資信託は、亡くなった日の基準価額をもとに、解約した場合の手取り額(税金などを差し引いた額)で評価するのが基本です。

残高証明書を取っておく

相続税の申告では、証券会社が発行する残高証明書(亡くなった日の銘柄・数量・評価額などがわかるもの)を使うのが一般的です。

相続税がかかるかどうかの目安は相続税はいくらからかかる?で解説しています。

相続した株式を売るときの税金

相続した株式を売って利益が出た場合、売った人に所得税・住民税がかかります。

  • 取得費(買ったときの価格)は、亡くなった方の取得費を引き継ぐ
  • 取得費がわからない場合は、売った金額の5%を取得費とみなせる
  • 相続税を払った人が、相続の開始から3年10か月以内に売った場合は、相続税の一部を取得費に加えられる特例がある

特定口座で移管した場合は、取得費の情報も引き継がれることが多いので、証券会社に確認しましょう。

株式の相続で注意したいこと

  • 配当金:亡くなったあとに支払われる配当金も相続財産。配当金の受け取り方法の変更も必要になる
  • 信用取引:亡くなった方が信用取引をしていた場合は、決済の手続きが必要になるので、早めに証券会社に連絡する
  • 株価の変動:手続き中も株価は動く。売るタイミングを考えるなら、移管を早めに済ませる
  • NISA口座:亡くなった方のNISA口座の株式は、相続人の課税口座(特定口座など)に移すのが一般的

証券会社に連絡するときに確認すること

証券会社に亡くなったことを伝えるときは、次の点を確認しておくと、その後の手続きがスムーズになります。

  • 亡くなった方の口座にある銘柄・数量(残高)
  • 残高証明書の発行方法と手数料
  • 必要書類の一覧と、印鑑証明書などの有効期限
  • 受け取る人が口座を作る方法
  • 配当金や分配金の扱い
  • 信用取引や外国株式がある場合の手続き

連絡の際は、亡くなった方の氏名・生年月日・口座番号がわかるもの(取引報告書など)を手元に用意しましょう。

株式を相続する人の決め方

決め方 ポイント
1人がまとめて受け継ぐ 手続きが1回で済む。受け継いだ人が売って代金を分ける方法もある
銘柄ごとに分ける 「A社株は長男、B社株は長女」など。受け取る人それぞれに口座が必要
同じ銘柄を株数で分ける 「A社株1,000株のうち500株ずつ」など。単元未満にならないよう注意

株価は日々変わるため、「評価額で半分ずつ」と決めると、手続きの間に価値がずれることがあります。

銘柄や株数で決めておくと、後でもめにくくなります。

NISA口座で持っていた株式や投資信託の手続きはNISA口座の相続で解説しています。

モデルケース:口座がわからない株式を調べて分ける

たとえば、亡くなった父の郵便物に配当金のお知らせがあるものの、どこの証券会社に口座があるかわからない場合で考えます。

  • STEP 1
    ほふりに開示請求をする
    法定相続情報一覧図を使って請求し、口座のある証券会社を確認する
  • STEP 2
    証券会社に連絡する
    亡くなったことを伝え、残高証明書と相続手続きの書類を取り寄せる
  • STEP 3
    分け方を決める
    銘柄ごとに受け継ぐ人を決め、遺産分割協議書に書く
  • STEP 4
    相続人の口座に移す
    受け継ぐ人が同じ証券会社に口座を作り、移管を受ける
  • STEP 5
    売るか持ち続けるか決める
    売る場合は、取得費や相続税の取得費加算の特例も確認する

配当金のお知らせに「特別口座」と書かれていたら、証券会社ではなく株主名簿管理人(信託銀行など)が窓口になります。

相続税がかかりそうな場合や、申告が必要か迷う場合は、税理士に相談すると具体的な税額を確かめられます。

よくある質問

相続人が証券口座を持っていません

株式を受け継ぐには、受け取る人の証券口座が必要です。

亡くなった方が口座を持っていた証券会社で、新しく口座を作るのが一般的です。

株式を相続人で分けることはできますか?

できます。銘柄ごとに受け継ぐ人を決めたり、同じ銘柄を株数で分けたりできます。

分け方は遺産分割協議書に書いておきます。

株式の相続手続きには期限がありますか?

法律上の期限はありませんが、相続税の申告が必要な家庭は10か月の期限があります。

また、放置すると株価の変動を受け続けるので、方針が決まったら早めに手続きしましょう。

投資信託も同じ手続きですか?

基本的な流れは同じで、相続人の口座に移管します。

銀行で買った投資信託は、その銀行の相続手続きの中で扱われます。

亡くなった方が持っていた株の配当金はどうなりますか?

亡くなったあとに支払われる配当金も、相続財産です。

名義変更が終わるまでは受け取れないことがあるので、株主名簿管理人や証券会社に扱いを確認しましょう。

株式の名義変更にはどのくらい時間がかかりますか?

証券会社や手続きの内容によって違います。

書類がそろっていないと時間がかかるので、連絡したときに必要書類をまとめて確認し、一度で出せるように準備しましょう。

ほふりの開示請求はどうやって申し込みますか?

ほふりのホームページで開示請求書を入手し、必要書類と費用を添えて郵送で申し込みます。

費用は開示請求書を出した郵便の消印日で判断されます。

特別口座の株式も証券会社で手続きできますか?

特別口座の株式は、株主名簿管理人(信託銀行など)で相続の手続きをします。

まとめ

  • 株式は、証券会社に連絡し、受け取る人の口座に移してから売る
  • 口座がわからなければ、ほふりに開示請求(2026年10月1日から法定相続人は6,050円/7,700円)
  • 必要書類は証券会社ごとに違う。戸籍の代わりに法定相続情報一覧図を使うと楽
  • 上場株式の相続税評価は、4つの価格のうち最も低い価格。特別口座や単元未満株の見落としに注意

監修者

行政書士(2018年11月開業)・社会保険労務士試験合格。遺産分割協議書の作成や相続人の調査(戸籍の収集)など、相続の書類づくりに携わっています。

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参考資料:証券保管振替機構「登録済加入者情報の開示請求に係る費用改定のお知らせ」(改定日2026年10月1日)/国税庁 タックスアンサー(上場株式の評価)

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