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永代供養と樹木葬の違いは?種類・選び方・確認すること・納骨までの手続き

永代供養と樹木葬の違い 相続手続き
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「お墓を継ぐ人がいない」「子どもに管理の負担をかけたくない」という理由で、永代供養墓や樹木葬を選ぶ人が増えています。

ただ、永代供養と樹木葬はどう違うのか、どちらを選べばよいのか、分かりにくいと感じる方も多いでしょう。

この記事では、墓地埋葬法や厚生労働省の資料をもとに、永代供養と樹木葬の意味と違い、種類、選ぶときに確認すること、納骨までの手続きを説明します。

先に結論
  • 永代供養は、お墓を継ぐ人に代わって、寺院や霊園が遺骨の管理と供養をする供養のしかた
  • 樹木葬は、墓石の代わりに樹木や草花を墓標にするお墓の形。多くは永代供養が付いている
  • どちらも法律上の定義はなく、中身は霊園ごとに違う。契約内容を必ず確認する
  • 樹木葬も、都道府県知事などの許可を受けた墓地でなければ遺骨を埋められない
  • いちばん大事なのは、ほかの方の遺骨と一緒にする(合祀)時期。合祀後は遺骨を取り出せない

この記事の監修:行政書士(2018年開業・社会保険労務士試験合格)。法務局・裁判所・国税庁などの一次資料で内容を確認しています。

永代供養とは

永代供養は、お墓を継ぐ人(承継者)がいなくても、寺院や霊園が代わりに遺骨を管理し、供養してくれる仕組みです。

ふつうのお墓は、家族が代々受け継いで管理し、年間の管理費を払い続けます。

永代供養では、最初に永代供養料を払えば、その後は寺院や霊園が管理と供養を続けるのが一般的です。

「永代」とありますが、永久にという意味ではありません。

多くの霊園では、一定の期間(十三回忌、三十三回忌までなど)は個別に安置し、その後はほかの方の遺骨と一緒に埋葬(合祀)します。

永代供養墓の種類

種類 納め方 特徴
合祀型 最初からほかの方の遺骨と一緒に納める 費用を抑えやすい。遺骨をあとで取り出せない
集合型 石碑などは共同で、骨壺は個別に安置する 一定期間後に合祀されることが多い
個別型 ふつうのお墓と同じように個別の区画に納める 費用は高め。期間が過ぎると合祀されることが多い
納骨堂 屋内のロッカー式・仏壇式などに納める 天候に関係なくお参りしやすい。都市部に多い

樹木葬とは

樹木葬は、墓石の代わりに樹木や草花を墓標にするお墓です。

樹木の根元や周りの区画に遺骨を納め、多くは永代供養が付いています。

樹木葬の種類

種類 特徴
里山型 山林などの自然の中に遺骨を埋める。郊外に多く、お参りに行くのが大変なこともある
公園型(庭園型) 霊園の中の、花壇や植栽のある区画に納める。都市部の霊園に多い
シンボルツリー型 1本の木の周りに、多くの方の遺骨を納める
個別植樹型 区画ごとに木を植える。費用は高め

自治体が運営する公営霊園でも、樹林墓地・樹木墓地などの名前で、樹木葬の区画を設けているところがあります。

公営霊園は申し込みの資格(その自治体に住んでいるかなど)や募集の時期が決まっていることが多いので、自治体のホームページで確認しましょう。

樹木葬も「墓地」でなければできない

墓地埋葬法では、遺骨を埋めることができるのは墓地に限られています(4条)。

墓地を経営するには、都道府県知事(市や特別区では市長・区長)の許可が必要です(10条)。

自宅の庭や私有地の木の下に遺骨を埋めることはできません。

樹木葬を選ぶときは、その場所が許可を受けた墓地かどうかを確認しましょう。

永代供養と樹木葬の違い

永代供養と樹木葬の違い(供養のしかたとお墓の形)

永代供養は「供養と管理のしかた」、樹木葬は「お墓の形」を表す言葉です。

そのため、「永代供養付きの樹木葬」のように、両方にあてはまるお墓も多くあります。

比べる点 永代供養墓(合祀型・集合型など) 樹木葬
言葉の意味 供養と管理のしかた 墓標の形
墓標 共同の石碑・供養塔など 樹木・草花
承継者 いらないことが多い いらないことが多い(永代供養付きの場合)
合祀 最初から、または一定期間後 最初から、または一定期間後
場所 寺院の境内・霊園など 霊園の区画・山林など
宗教 寺院では宗旨・宗派を問わない場合と問う場合がある 宗旨・宗派を問わないところが多い

メリットと注意点

メリット 注意点
継ぐ人がいなくても管理・供養してもらえる 合祀されると遺骨を取り出せない
墓石を建てないので、ふつうのお墓より費用を抑えやすい 親族が「お墓らしくない」と反対することがある
年間の管理費がかからない、または少ないところが多い 1つの区画に入れる人数が決まっていることがある
宗旨・宗派を問わないところが多い 里山型は、お参りに行きにくいことがある

合祀したあとで「やはり別のお墓に移したい」と思っても、ほかの方の遺骨と混ざっているため取り出せません。

家族や親族とよく話し合ってから決めましょう。

選ぶときに確認すること

永代供養墓・樹木葬を選ぶときに確認すること

永代供養や樹木葬には法律上の決まった中身がないため、霊園ごとに条件が大きく違います。

契約の前に、次の点を書面で確認しましょう。

確認すること 理由
合祀するまでの期間 「最初から合祀」か「〇年後に合祀」かで、遺骨の扱いが大きく変わる
納められる人数 夫婦や家族で入りたい場合、区画ごとの上限を確認する
費用の内訳 永代供養料のほか、納骨手数料、銘板の彫刻料、年間管理費がかかるか
供養の内容 合同の法要の回数、個別の法要を頼めるか
宗旨・宗派の条件 寺院の檀家になる必要があるか
経営している団体 墓地を経営しているのは誰か(自治体・宗教法人・公益法人)
お参りのしやすさ 自宅からの距離、交通手段、お参りできる時間
生前に契約した場合 契約した本人が亡くなったとき、誰が納骨の手続きをするか

費用の考え方

永代供養墓や樹木葬の費用は、合祀型か個別型か、何人で入るか、場所がどこかで大きく変わります。

比べるときは、表示されている金額だけでなく、次の費用がすべて含まれているかを確認しましょう。

  • 永代供養料(管理と供養の費用)
  • 納骨のときの手数料・法要のお布施
  • 銘板やプレートへの名前の彫刻料
  • 合祀されるまでの年間管理費
  • 今のお墓を墓じまいする場合は、墓石の撤去費用と改葬の手続き費用

「〇万円から」という表示は、いちばん安い合祀型の金額であることが多いので注意しましょう。

親族に反対されたとき

永代供養や樹木葬は、親族から「先祖に申し訳ない」「お参りする場所がなくなる」と反対されることがあります。

反対の理由を聞き、お参りの方法や、合祀までは個別に安置されることなどを具体的に説明すると、理解を得やすくなります。

遺骨の一部を分骨して、親族の近くのお墓や手元に残す方法もあります。

墓地を経営できるのは誰か

厚生労働省の「墓地経営・管理の指針」では、墓地を経営できるのは、原則として地方公共団体と、宗教法人・公益法人に限られるとしています。

営利企業が販売の窓口になっている霊園でも、墓地の経営主体は宗教法人などになっているのが一般的です。

契約書で経営主体を確認し、経営が続かなくなった場合に遺骨がどうなるかも聞いておくと安心です。

ほかの選択肢との比較

方法 承継者 遺骨の扱い
ふつうのお墓(一般墓) 必要 家族が管理し続ける
永代供養墓 いらないことが多い 一定期間後などに合祀
樹木葬 いらないことが多い 一定期間後などに合祀することが多い
納骨堂 契約による 使用期間後に合祀されることが多い
散骨 いらない 粉状にして海などにまく。あとで取り出せない
手元供養 自分で管理 自宅で保管する。いずれ行き先を決める必要がある

散骨を選ぶ場合

散骨については、墓地埋葬法に直接の定めがありません。

厚生労働省は2021年3月に、散骨事業者向けのガイドラインを公表しました。

ガイドラインでは、散骨を「火葬した遺骨を粉状に砕き、陸地や水面にまくこと」と定義し、関係する法令や条例を守ることを求めています。

自治体によっては、条例で散骨を制限しているところもあるので、ガイドラインに沿って対応している事業者に依頼しましょう。

家族だけで乗船する海洋散骨を相談する

シーセレモニーは、小型クルーザーを貸し切り、家族だけで海洋散骨を行うサービスです。

粉骨をどうするか、乗船できる人数や出航する港も、問い合わせのときに確認しておきましょう。

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納骨までの流れと必要な書類

必要な書類は、亡くなってすぐに納骨する場合と、今あるお墓から遺骨を移す場合で違います。

ケース 必要な書類
亡くなった方を初めて納骨する 火葬許可証(火葬場で火葬済みの印が押されたもの。埋葬許可証として使う)
今あるお墓から移す(改葬) 今のお墓がある市区町村の改葬許可証
遺骨の一部を分けて納める(分骨) 墓地の管理者などが発行する分骨証明書

火葬許可証は、火葬が終わると火葬場で証印が押されて返されます。

納骨のときに霊園に渡すので、なくさないように保管しましょう。

死亡届から火葬までの流れは死亡後の手続き一覧と期限で確認できます。

今のお墓を墓じまいして移す場合

今のお墓から永代供養墓や樹木葬に移す流れ

今のお墓から永代供養墓や樹木葬に遺骨を移すことを「改葬」といい、今のお墓がある市区町村の許可が必要です。

厚生労働省の資料によると、令和4年度の改葬件数は151,076件でした。

墓じまいの流れは次のとおりです。

  1. 親族と話し合い、新しい納骨先を決める
  2. 新しい納骨先から受入証明書をもらう
  3. 今のお墓の管理者から埋蔵証明を受ける
  4. 市区町村に改葬許可を申請する
  5. 閉眼供養をして遺骨を取り出し、墓石を撤去して区画を返す
  6. 新しい納骨先に納骨する

墓石の撤去は石材店に頼みます。

費用は石材店や墓地の状況で差が出るので、複数の見積もりを比べましょう。

石材店の見積もりを比べる

墓石ナビは、全国の石材店から一括で見積もりを取れる無料のサービスです。墓じまいで墓石を撤去する工事の見積もりも頼めます。

石材店によって得意な工事や費用に差があるため、同じ条件で複数社の見積もりを比べましょう。

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手続きの詳しい流れと申請書の書き方は墓じまいの方法と手順・費用で説明しています。

相続とお墓の関係

お墓や仏壇は「祭祀財産」といい、預金や不動産などのふつうの相続財産とは別に扱われます。

祭祀財産を受け継ぐ人(祭祀承継者)は、亡くなった方の指定、指定がなければ地域の慣習、それでも決まらなければ家庭裁判所が決めます(民法897条)。

お墓や仏壇は、相続税もかかりません(相続税法12条)。

ただし、葬儀のあとに墓地や墓石を買った費用は、相続税の計算で葬式費用として差し引くことはできません。

永代供養墓や樹木葬を選ぶときは、誰が契約者(使用者)になるかも決めておきましょう。

葬儀のあとにもらえるお金は葬祭費・埋葬料の申請で確認できます。

生前に自分で申し込む場合

自分の入るお墓を生前に申し込む人も増えています。

生前に契約しておけば、家族が亡くなったあとに納骨先を探す負担を減らせます。

ただし、契約した本人が亡くなったあとに、誰が霊園に連絡し、納骨の手続きをするかを決めておく必要があります。

家族に契約書の場所を伝えておくか、遺言やエンディングノートに書いておきましょう。

身寄りがない場合は、死後の手続きを任せる契約(死後事務委任契約)を結んでおく方法もあります。

お墓の希望はエンディングノートに書いて家族に伝えておきましょう。

葬儀費用の負担や相続税で差し引ける費用は葬儀費用は誰が払う?で説明しています。

墓石を建てるお墓の費用は、お墓を建てる費用と流れ|墓石・永代使用料・管理料と相続税で比べられます。

納骨までの手配を人に頼んでおく契約は死後事務委任契約とはで説明しています。

納骨とあわせて準備する香典返しは香典返しの相場・時期・挨拶状で説明しています。

納骨を行う法要の準備は四十九日・一周忌・三回忌の法要の準備で説明しています。

今のお墓の名義変更はお墓の名義変更(承継)の手続きで説明しています。

よくある質問

永代供養でも年間の管理費はかかりますか?

最初に永代供養料を払えば、その後の管理費はかからないところが多いです。

ただし、個別型の区画や納骨堂では、合祀されるまでの間、年間の管理費がかかることがあります。

夫婦で同じ樹木葬に入れますか?

区画によっては、夫婦や家族で入れるものがあります。

入れる人数と、最後の方が亡くなってから合祀されるまでの期間を確認しましょう。

遺骨の一部だけ手元に残せますか?

遺骨の一部を分けて、手元で供養する方法もあります。

分けた遺骨をあとで別の墓地に納める場合は、分骨証明書が必要になります。

寺院の檀家にならないといけませんか?

寺院が運営する永代供養墓でも、檀家にならなくてよいところが多くあります。

檀家になる必要があるか、法要のお布施が必要かは、契約の前に確認しましょう。

まとめ

  • 永代供養は、承継者に代わって寺院や霊園が管理・供養する仕組み。樹木葬は、樹木や草花を墓標にするお墓の形
  • どちらも法律上の定義はなく、中身は霊園ごとに違う
  • 樹木葬も、許可を受けた墓地でなければ遺骨を埋められない
  • 合祀の時期、人数、費用の内訳、経営主体を契約の前に確認する
  • 今のお墓から移すときは改葬許可が必要。墓石の撤去は複数の石材店の見積もりを比べる

監修者

行政書士(2018年11月開業)・社会保険労務士試験合格。遺産分割協議書の作成や相続人の調査(戸籍の収集)など、相続の書類づくりに携わっています。

このサイトでは、法務局・裁判所・国税庁・金融機関などが公表している一次資料で確かめた内容だけを書いています。詳しくは運営者情報をご覧ください。

参考資料:墓地、埋葬等に関する法律(4条・5条・10条)/墓地、埋葬等に関する法律施行規則/厚生労働省「墓地経営・管理の指針等について」/厚生労働省「散骨に関するガイドライン(散骨事業者向け)」(令和3年3月)/厚生労働省「衛生行政報告例」(令和4年度)/民法897条/相続税法12条/国税庁タックスアンサーNo.4129(2026年9月30日確認)

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