PR

当サイトにはプロモーションが含まれています。

墓じまいの方法と手順・費用|改葬許可の申請・遺骨の行き先・相続との関係

墓じまいの手順と費用 相続手続き
記事内に広告が含まれています。

親のお墓を引き継いだものの、遠方で管理ができない、跡を継ぐ人がいない、という家族は少なくありません。

そこで考えるのが「墓じまい」です。

ただし、お墓から遺骨を移すには、市区町村の許可が必要です。

親族やお寺との話し合い、新しい納骨先の手配など、進める順番も大切です。

この記事では、墓地埋葬法と施行規則の定めをもとに説明します。

墓じまいの手順、改葬許可の申請、費用の内訳、遺骨の行き先、相続との関係を順に見ていきましょう。

先に結論
  • 遺骨を別の場所に移すことを法律では「改葬」といい、市区町村長の許可が必要
  • 申請先は今のお墓がある市区町村。墓地管理者の証明書などを添付する
  • 先に新しい納骨先を決めておくと、手続きが止まらない
  • 費用は、撤去工事・供養・行政手続き・新しい納骨先の合計で考える
  • お墓は祭祀財産で、相続財産とは別に引き継ぐ。相続税はかからない

この記事の監修:行政書士(2018年開業・社会保険労務士試験合格)。法務局・裁判所・国税庁などの一次資料で内容を確認しています。

墓じまいとは

墓じまいは、お墓から遺骨を取り出し、墓石を撤去して墓地を返すことをいいます。

取り出した遺骨は、別のお墓や納骨堂に移したり、散骨したりします。

墓じまいは法律上の言葉ではありません。

墓地埋葬法では、遺骨を別のお墓や納骨堂に移すことを「改葬」と定めています(2条3項)。

改葬をするには、市区町村長の許可を受けなければなりません(5条)。

墓じまいを考える主な理由

  • お墓が遠方にあり、お参りや管理が難しい
  • お墓を継ぐ人がいない、子どもに負担を残したくない
  • 管理費や寺院とのつきあいの負担が大きい
  • 親の家の近くに遺骨を移したい

墓じまいの手順

墓じまいの手順の流れ

一般的な流れは次のとおりです。

順番 やること
1. 親族と話し合う 墓じまいをするか、遺骨をどこに移すか、費用を誰が負担するかを決める
2. 墓地の管理者に相談 寺院や霊園に墓じまいの意向を伝え、必要な手続きを確認する
3. 新しい納骨先を決める 永代供養墓・納骨堂・樹木葬・散骨などを選び、受入証明書をもらう
4. 埋蔵証明書をもらう 今の墓地の管理者に、遺骨が納められていることの証明を書いてもらう
5. 改葬許可を申請 今のお墓がある市区町村に申請し、改葬許可証を受け取る
6. 閉眼供養 必要に応じて、遺骨を取り出す前に供養をしてもらう
7. 遺骨の取り出し・墓石の撤去 石材店に依頼して遺骨を取り出し、墓石を撤去して区画を更地にする
8. 新しい納骨先へ 改葬許可証を渡して納骨する(散骨の場合は事業者に依頼)

いちばん時間がかかるのは、親族との話し合いと、新しい納骨先を決めるところです。

納骨先が決まらないと、受入証明書がもらえません。

受入証明書がないと改葬許可の申請に進めない自治体が多いので、早めに決めましょう。

始める前のチェックリスト

  • 墓地の使用規則(返還の手続き、指定の石材店があるか)
  • 墓地の名義人(使用者)が誰になっているか
  • お墓に納められている遺骨の数と、それぞれ誰の遺骨か
  • 親族のほかの遺骨が一緒に納められていないか
  • 新しい納骨先の候補と、受入証明書の発行方法
  • 閉眼供養をお願いするかどうか

改葬許可の申請

改葬許可は、遺骨が今ある場所(今のお墓の所在地)の市区町村長が出します(墓地埋葬法5条2項)。

申請書に書くこと

施行規則2条では、改葬許可の申請書に次の事項を書くと定めています。

項目 内容
亡くなった方 本籍、住所、氏名、性別
死亡年月日 亡くなった日
埋葬・火葬 場所と年月日
改葬の理由 例:遠方で管理が難しいため
改葬の場所 遺骨を移す先
申請者 住所、氏名、亡くなった方との続柄、墓地使用者との関係

申請書の様式は、市区町村のホームページや窓口で手に入ります。

遺骨1体ごとに申請書を求める自治体もあるので、お墓に何人分の遺骨があるか確認しておきましょう。

記入例:父の遺骨を納骨堂へ移す場合

記入のイメージです(架空の例です)。

項目 記入する内容
死亡者の本籍・住所・氏名・性別 父の本籍・最後の住所・氏名・男
死亡年月日 父が亡くなった日
埋葬又は火葬の場所・年月日 火葬した斎場と火葬日
改葬の理由 墓地が遠方で管理が難しいため
改葬の場所 移す先の納骨堂の名称と所在地
申請者 長男の住所・氏名、続柄「子」、墓地使用者との関係「本人」

火葬の場所や日付がわからない場合は、墓地の管理者や市区町村の窓口に相談しましょう。

添付する書類

改葬許可申請の添付書類

書類 誰が作るか
埋蔵(収蔵)の事実を証する書面 今の墓地・納骨堂の管理者
墓地使用者の承諾書 申請者が墓地使用者(名義人)でない場合に、墓地使用者が作る
その他市区町村長が必要と認める書類 新しい納骨先の受入証明書など(自治体による)

埋蔵証明を申請書の欄に墓地管理者が記入する形の自治体もあります。

手数料は自治体によって違い、無料のところもあります。

墓地の名義人を確認する

墓地を使う権利は、墓地の「使用者(名義人)」にあります。

亡くなった親が名義人のままなら、先に名義を承継者に変更しておくと、改葬の申請がスムーズです。

名義変更の方法は、寺院や霊園の規則で決まっています。

墓じまいの費用の内訳

墓じまいの費用の内訳

墓じまいの費用は、お墓の大きさや場所、遺骨の数、移す先で大きく変わります。

次の内訳ごとに見積もりを取って合計しましょう。

費用 支払う先 ポイント
墓石の撤去・整地 石材店 区画の広さ、重機が入るか、墓地の指定業者か、で変わる
遺骨の取り出し 石材店 撤去工事に含まれることも多い
閉眼供養のお布施 寺院 金額に決まりはない
離檀料 寺院(寺院墓地の場合) 法律で決まった費用ではない。感謝の気持ちとして渡す慣習
改葬許可の手数料 市区町村 無料〜数百円程度の自治体が多い
書類の発行手数料 墓地管理者・新しい納骨先 埋蔵証明・受入証明の発行料
新しい納骨先 霊園・寺院・散骨事業者など 永代供養墓・納骨堂・樹木葬・散骨で大きく違う

石材店は、墓地によって指定されていることがあります。

指定がなければ、複数の石材店から見積もりを取って比べましょう。

費用を誰が負担するか

墓じまいの費用を誰が負担するかは、法律で決まっていません。

お墓を継いだ人(祭祀承継者)が負担することが多いですが、兄弟姉妹で分けることもあります。

あとでもめないように、話し合いの段階で決めておきましょう。

取り出した遺骨の行き先

取り出した遺骨の行き先

行き先 特徴 改葬許可証
別のお墓 親族の近くに新しく建てる・既存の墓に入れる 必要
永代供養墓 寺院や霊園が管理・供養する。継ぐ人がいなくてよい 必要
納骨堂 屋内の施設。都市部に多い 必要
樹木葬 墓石の代わりに樹木を墓標にする 必要
散骨(海洋散骨など) 粉末状にした遺骨を海などにまく 自治体・事業者に確認
手元供養 自宅で保管する 自治体に確認

納骨先の選び方

新しい納骨先は、次の点で比べると選びやすくなります。

比べる点 確認すること
継ぐ人が必要か 永代供養墓や樹木葬は、継ぐ人がいなくても管理・供養してもらえるものが多い
お参りのしやすさ 自宅や親族の家から通える場所か、屋内か屋外か
遺骨の扱い 一定期間後にほかの方の遺骨と一緒にする(合祀)か、個別に納め続けるか
後から移せるか 合祀や散骨をすると、遺骨を取り出すことはできない
費用のかかり方 最初にまとめて払うか、年間の管理費がかかるか

合祀や散骨は、あとで気が変わっても元に戻せません。

家族でよく話し合ってから決めましょう。

海洋散骨を選ぶ場合

散骨については、墓地埋葬法に直接の定めがありません。

厚生労働省は2021年3月に、散骨事業者向けのガイドラインを公表しました。

遺骨を粉状にすること、周辺の住民や漁業者に配慮することなどが示されています。

自治体によっては、条例で散骨を制限しているところもあります。

散骨を選ぶ場合は、ガイドラインに沿って対応している事業者に依頼しましょう。

一部だけ手元に残す(分骨)

散骨する前に、遺骨の一部を分けて手元に残したり、別のお墓に納めたりすることもできます。

分けた遺骨を別の墓地や納骨堂に納める場合は、「分骨証明書」が必要です。

分骨証明書は、墓地の管理者などが発行します(墓地埋葬法施行規則5条)。

散骨は、遺骨を粉末状にしてから行います。

粉骨を自分でするか、事業者に頼むかも確認しておきましょう。

家族だけで乗船する海洋散骨を相談する

シーセレモニーは、小型クルーザーを貸し切り、家族だけで海洋散骨を行うサービスです。

粉骨をどうするか、乗船できる人数や出航する港も、問い合わせのときに確認しておきましょう。

【PR:シーセレモニー】 家族みんなで送る”乗船”海洋散骨【海洋記念葬 シーセレモニー】

墓地の種類による違い

今のお墓がどこにあるかで、相談先や手続きの進め方が変わります。

墓地の種類 相談先 注意すること
寺院墓地 住職 閉眼供養や離檀について、早めに丁寧に相談する
公営霊園 自治体の霊園の窓口 返還の届出書や、原状回復の期限が決まっていることが多い
民営霊園 霊園の管理事務所 指定の石材店が決まっていることが多い
共同墓地・個人墓地 地域の管理組合・所有者 管理者がはっきりしない場合は市区町村に相談する

永代使用料は返ってくる?

お墓を建てたときに払った永代使用料は、墓地を使う権利の対価です。

墓地を返しても戻らないと定めている墓地が多いので、使用規則を確認しましょう。

年間の管理費は、返還の手続きが済むまでかかることがあります。

親族との話し合いの進め方

墓じまいで一番もめやすいのは、親族の気持ちの問題です。

  • なぜ墓じまいをしたいのか(管理の負担、継ぐ人がいないなど)を具体的に伝える
  • 遺骨の新しい行き先と、お参りの方法を示す
  • 費用の見積もりと、誰が負担するかの案を用意する
  • 反対があれば、分骨して一部を手元に残すなど、折り合える方法を探す

お墓に納められている方の兄弟姉妹など、気持ちの面で関係の深い親族にも、事前に知らせておくと安心です。

仏壇はどうする?

墓じまいとあわせて、実家の仏壇を整理する家族もいます。

仏壇を処分する前に、寺院に閉眼供養をお願いするのが一般的です。

位牌は、寺院で供養してもらうか、永代供養の施設に納める方法があります。

墓じまいと相続の関係

お墓は相続財産とは別に引き継ぐ

お墓(墓地・墓石)や仏壇などは「祭祀財産」といいます。

預貯金などの相続財産とは別に、祭祀を主宰する人が引き継ぎます(民法897条)。

誰が引き継ぐかは、亡くなった方の指定、地域の慣習、家庭裁判所の決定の順で決まります。

遺産分割協議の対象にはなりません。

相続放棄をしてもお墓は引き継げる

祭祀財産は相続財産ではないので、相続放棄をした人でも、祭祀承継者としてお墓を引き継げます。

相続放棄は相続放棄とはで説明しています。

相続税はかからない

墓地・墓石・仏壇などは、相続税の非課税財産です。

一方で、墓じまいの費用や、墓地・墓石の購入費用は、相続税の計算で差し引ける葬式費用には含まれません。

相続税がかかるかどうかは相続税の計算シミュレーションで目安を確認できます。

墓じまいを誰に頼むか

頼む先 頼めること
石材店 遺骨の取り出し、墓石の撤去、整地
寺院 閉眼供養、新しい納骨先での開眼供養・納骨法要
墓じまいの代行業者 石材店の手配から納骨先の紹介まで、まとめて頼めるところもある
行政書士 改葬許可申請など、市区町村に出す書類の作成・提出の代理
散骨事業者 粉骨、散骨の実施、散骨証明書の発行

自分でできるのは、親族との話し合い、改葬許可の申請、納骨先の手配などです。

遠方で何度も通えない場合は、まとめて頼める先を探すと負担が減ります。

見積もりで確認すること

  • 撤去する墓石の範囲(外柵・基礎・植木を含むか)
  • 遺骨の取り出しと、骨壺の交換・洗骨の費用が含まれるか
  • 重機が入れない場合の追加費用
  • 産業廃棄物としての墓石の処分費
  • 書類の取り寄せや申請の代行を含むか

「一式」とだけ書かれた見積もりは、内訳を出してもらいましょう。

石材店の見積もりを比べる

墓石ナビは、全国の石材店から一括で見積もりを取れる無料のサービスです。墓石の購入だけでなく、墓じまいの相談もできます。

石材店によって得意な工事や費用に差があるため、同じ条件で複数社の見積もりを比べましょう。

【PR:墓石ナビ】 全国の優良石材店から一括見積りが無料で出来る【墓石ナビ】

トラブルを防ぐポイント

  • 親族の同意を取る:お墓に眠る方の子や兄弟姉妹など、関係の深い親族には事前に相談する
  • 寺院には早めに相談する:長年の供養への感謝を伝え、手続きの流れを確認する
  • 見積もりは内訳で比べる:撤去工事・供養・新しい納骨先を分けて確認する
  • 書類の順番を守る:受入証明→埋蔵証明→改葬許可の順で進める

離檀料で話がまとまらない場合は、自治体の消費生活センターなどに相談する方法もあります。

実家の片付けとあわせて考える

墓じまいを考えるタイミングは、実家の相続や片付けと重なることがよくあります。

実家の扱いは相続した実家は売る?残す?で説明しています。

手続き全体は死亡後の手続き一覧と期限で確認できます。

永代供養墓と樹木葬の違いや選び方は永代供養と樹木葬の違いで詳しく説明しています。

新しくお墓を建てる場合の費用と流れは、お墓を建てる費用と流れ|墓石・永代使用料・管理料と相続税で説明しています。

墓じまいとあわせて仏壇を整理するときは実家の仏壇・位牌はどうする?で説明しています。

墓じまいの前に名義を変える手続きはお墓の名義変更(承継)の手続きで説明しています。

よくある質問

墓じまいは自分でできますか?

改葬許可の申請は、自分でできます。

墓石の撤去や遺骨の取り出しは、石材店に依頼するのが一般的です。

遠方のお墓でも手続きできますか?

改葬許可の申請は、郵送で受け付けている市区町村も多くあります。

墓地の管理者や石材店とのやり取りも、電話や郵送で進められる場合があります。

お墓に誰の遺骨があるかわかりません

墓地の管理者に、埋蔵の記録を確認しましょう。

墓誌や過去帳、寺院の記録で分かることもあります。

改葬許可証は誰に渡しますか?

市区町村から受け取った改葬許可証は、新しい納骨先の管理者に渡します。

納骨のときに必要になるので、なくさないように保管しましょう。

墓じまいにはどのくらい時間がかかりますか?

親族との話し合い、納骨先探し、見積もり、申請と、段階ごとに時間がかかります。

法要などの予定があるなら、逆算して早めに動き始めましょう。

墓じまいの時期に決まりはありますか?

法律上の決まりはありません。

法要に合わせる家族もいますが、親族の都合や工事の日程で決めてかまいません。

まとめ

  • 遺骨を移す「改葬」には、今のお墓がある市区町村長の許可が必要
  • 申請書には亡くなった方・埋葬の場所・改葬の理由・改葬先などを書き、墓地管理者の証明書などを添付する
  • 新しい納骨先を先に決め、受入証明→埋蔵証明→改葬許可の順で進める
  • 費用は撤去工事・供養・行政手続き・新しい納骨先の合計。内訳ごとに見積もりを取る
  • お墓は祭祀財産。相続財産とは別に引き継ぎ、相続税はかからない

監修者

行政書士(2018年11月開業)・社会保険労務士試験合格。遺産分割協議書の作成や相続人の調査(戸籍の収集)など、相続の書類づくりに携わっています。

このサイトでは、法務局・裁判所・国税庁・金融機関などが公表している一次資料で確かめた内容だけを書いています。詳しくは運営者情報をご覧ください。

参考資料:墓地、埋葬等に関する法律2条・5条、同法施行規則2条/厚生労働省「散骨に関するガイドライン(散骨事業者向け)」(2021年)/民法897条/国税庁 タックスアンサーNo.4108「相続税がかからない財産」、No.4129「相続財産から控除できる葬式費用」(2026年9月27日確認)

タイトルとURLをコピーしました