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登記簿謄本(登記事項証明書)と固定資産評価証明書の取り方|手数料・相続での使い方

登記簿謄本と固定資産評価証明書 相続した不動産
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親から不動産を相続すると、相続登記や相続税の申告、売却の相談などで、「登記簿謄本(登記事項証明書)」と「固定資産評価証明書」を何度も求められます。

どちらも不動産の証明書ですが、取る場所も、書かれている内容も違います。

この記事では、法務省や市区町村の案内をもとに、2つの証明書の違い、取り方、手数料、相続手続きでの使い方を説明します。

先に結論
  • 登記事項証明書(登記簿謄本)は法務局で取る。所有者・面積・抵当権などが分かる。誰でも請求できる
  • 手数料は1通600円(書面請求)。オンライン請求なら郵送受取520円・窓口受取490円(2025年4月から)
  • 固定資産評価証明書は市区町村(東京23区は都税事務所)で取る。評価額が分かる。相続人は戸籍で関係を示して請求する
  • 相続登記の登録免許税は、申請する年度の評価証明書の額で計算する
  • 亡くなった方がどこに不動産を持っていたか分からないときは、名寄帳や所有不動産記録証明書で調べる

この記事の監修:行政書士(2018年開業・社会保険労務士試験合格)。法務局・裁判所・国税庁などの一次資料で内容を確認しています。

2つの証明書の違い

登記事項証明書と固定資産評価証明書の違い

比べる点 登記事項証明書(登記簿謄本) 固定資産評価証明書
取る場所 法務局(全国どこの法務局でも取れる) 不動産がある市区町村(東京23区は都税事務所)
分かること 所在・地番・面積・所有者・抵当権など 固定資産税の評価額
請求できる人 誰でも 所有者、相続人、委任を受けた人など
手数料 1通600円(書面請求) 市区町村ごとに決まっている
主な使い道 相続登記の申請書、遺産分割協議書、財産目録、売却の相談 登録免許税の計算、相続税の評価(倍率地域)

昔は登記簿が紙だったため「登記簿謄本」と呼ばれていましたが、今はコンピュータ化され、正式には「登記事項証明書」といいます。

登記事項証明書(登記簿謄本)の取り方

請求の方法と手数料

登記事項証明書の手数料(2025年4月から)

方法 手数料(1通) 特徴
法務局の窓口で書面請求 600円 その場で受け取れることが多い
郵送で書面請求 600円+郵送料 請求書と収入印紙、返信用封筒を送る
オンライン請求・郵送で受け取り 520円 自宅に届く。手数料はネットバンキングなどで払う
オンライン請求・窓口で受け取り 490円 指定した法務局の窓口で受け取る

手数料は2025年4月1日から改定されています。

書面請求の手数料は、収入印紙で払います。

ほかの地域の不動産の証明書も、最寄りの法務局で取れます。

請求に必要な情報

請求書には、不動産の所在と、土地なら地番、建物なら家屋番号を書きます。

地番や家屋番号は、住所(住居表示)とは違うことが多いので注意しましょう。

  • 固定資産税の納税通知書・課税明細書で確認する
  • 権利証(登記識別情報通知)で確認する
  • 法務局に備え付けのブルーマップ(住居表示と地番の対照地図)で調べる
  • 法務局に電話で問い合わせる

証明書を取らずに内容だけ見るなら

一般財団法人民事法務協会の「登記情報提供サービス」を使うと、登記の内容をインターネットで確認し、PDFで保存できます。

ただし、法務局の証明書ではないので、相続登記や金融機関の手続きなど、証明書の提出が求められる場面では使えません。

内容を確認したいだけのときに便利です。

公図・地積測量図も取っておくと便利

土地の形や隣との境界を確認したいときは、法務局で公図(地図に準ずる図面)や地積測量図の証明書も取れます。

方法 手数料(1通)
書面請求 500円
オンライン請求・郵送で受け取り 470円
オンライン請求・窓口で受け取り 440円

土地を売るときや、兄弟で土地を分けて相続する(分筆する)ときには、公図や地積測量図で土地の形と面積を確認しておくと話が進めやすくなります。

地積測量図は、すべての土地にあるわけではありません。

請求書の書き方(法務局の様式)

法務局の窓口や郵送で請求するときは、「登記事項証明書交付申請書」に書いて出します。

様式は、法務局の窓口に置いてあるほか、法務局のホームページからも取れます。

欄 書くこと
申請人 請求する人の住所・氏名(誰でも請求できる)
種別 土地か建物かにチェックする
所在 市区町村・町名・丁目まで(登記簿の表示どおり)
地番・家屋番号 土地は地番、建物は家屋番号(住居表示の番地とは違うことが多い)
請求通数 必要な通数
証明書の種類 全部事項証明書・現在事項証明書などから選ぶ
共同担保目録 抵当権がある場合に、目録も付けるかを選ぶ

収入印紙は、申請書に貼って出します。

全部事項と現在事項、どちらを選ぶか

種類 載っている内容 相続での使いみち
全部事項証明書 過去の所有者や抹消された抵当権も含めた、すべての記録 名義の移り変わりを確かめたいとき。迷ったらこちら
現在事項証明書 今効力のある記録だけ 今の所有者と抵当権だけ分かればよいとき

相続では、祖父母の代から名義が変わっていないか、古い抵当権が残っていないかを確かめることが多くあります。

そのため、全部事項証明書を選ぶと安心です。

オンラインで請求する

法務省の「登記・供託オンライン申請システム」から、証明書をオンラインで請求できます。

手数料はネットバンキングやペイジーで払い、郵送か、指定した法務局の窓口で受け取ります。

書面請求より手数料が安いので、何通も取るときに向いています。

登記事項証明書の見方

欄 書かれていること 相続で確認すること
表題部 所在・地番・地目・地積(建物は家屋番号・種類・構造・床面積) 遺産分割協議書に書く不動産の表示
権利部(甲区) 所有者と、その取得の原因 名義が亡くなった方になっているか。祖父母の名義のままではないか
権利部(乙区) 抵当権など、所有権以外の権利 住宅ローンなどの抵当権が残っていないか

甲区の名義が祖父母のままの場合は、数次相続として、さかのぼって手続きが必要になることがあります。

乙区に抵当権が残っている場合は、ローンが返済済みなら抹消の手続きを、残っていれば借金として相続の判断材料にします。

数次相続の協議書は代償分割・数次相続の遺産分割協議書で説明しています。

固定資産評価証明書の取り方

取る場所と請求できる人

固定資産評価証明書は、不動産がある市区町村の税務課・資産税課などで取ります。

東京23区の不動産は、都税事務所で取ります。

所有者が亡くなっている場合、相続人は次のものを出して請求します。

  • 請求書(市区町村のホームページからダウンロードできることが多い)
  • 亡くなった方との関係が分かる戸籍謄本(亡くなったことも分かるもの)
  • 本人確認書類(運転免許証など)
  • 手数料

多くの市区町村では郵送でも請求できます。

手数料や必要書類は市区町村ごとに違うので、ホームページで確認しましょう。

戸籍の集め方は相続の戸籍謄本の集め方で説明しています。

どの年度の証明書を使うか

固定資産評価証明書の年度の使い分け

固定資産税の評価額は、毎年4月1日から新しい年度の額になります。

手続き 使う年度
相続登記の登録免許税 登記を申請する日の年度(4月1日〜翌年3月31日)の評価額
相続税の評価(倍率地域の土地・家屋) 亡くなった日の年度の評価額

3月に取った証明書で4月に登記を申請すると、年度が変わって取り直しになることがあります。

申請の直前に取るようにしましょう。

相続登記の登録免許税の計算

相続登記の登録免許税は、固定資産評価証明書の評価額の0.4%です。

評価額が1,000万円なら、登録免許税は4万円です。

一定の要件を満たす土地には、免税になる措置もあります。

計算のしかたは相続登記の必要書類と自分でやる手順で説明しています。

不動産がどこにあるか分からないとき

亡くなった方がどこに不動産を持っていたか分からない場合は、次の方法で調べます。

方法 分かること 取る場所
名寄帳 その市区町村の中で持っていた土地・家屋の一覧(固定資産税がかからない土地も載る) 市区町村(東京23区は都税事務所)
所有不動産記録証明書 全国で登記名義人になっている不動産の一覧 法務局(2026年2月2日から)
固定資産税の納税通知書 課税されている不動産 亡くなった方の郵便物
権利証(登記識別情報通知) 取得した不動産 亡くなった方の書類

調べ方の詳しい手順は相続財産の調べ方で説明しています。

相続手続きで使う場面

場面 登記事項証明書 固定資産評価証明書
遺産分割協議書を作る 不動産の表示を正確に書き写す 財産の評価の目安にする
相続登記を申請する 内容の確認に使う(添付は不要) 登録免許税の計算に添付する
相続税を申告する 財産の内容(面積・持分など)を確認する資料にする 倍率地域の土地や家屋の評価に使う
売却を相談する 不動産会社の査定に使う 固定資産税の精算額の目安にする

相続登記の申請で登記事項証明書の添付は不要ですが、申請書の不動産の表示を正確に書くために取っておくと安心です。

遺産分割協議書の書き方は遺産分割協議書の書き方で説明しています。

売却を考えているとき

相続した不動産を売る場合、不動産会社の査定では、登記事項証明書や固定資産税の課税明細書を求められることがあります。

売る前には相続登記が必要です(2024年4月から相続登記は義務)。

相続放棄を考えている場合は、売る話を進める前に、放棄するかどうかを決めてください(民法921条1号)。

相続した不動産の売却・買取の相談先(比較)

実家の状態によっては、仲介より買取のほうが早く手放せることがあります。

相談先 向いているケース 注意点
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権利証が見つからないときは、権利証・登記識別情報をなくしたら(相続登記と売却の方法)を確認してください。

代理人に評価証明書を取ってもらうときの委任状は、相続の委任状の書き方(Wordひな形5パターン・無料)で配布しています。

公図や地積測量図を使った境界の確認は相続した土地の測量と境界確定で説明しています。

評価証明書の金額とほかの価格の違いは相続した不動産の価格の調べ方で説明しています。

よくある質問

登記簿謄本と登記事項証明書は同じですか?

同じものと考えて構いません。

登記簿がコンピュータ化されたため、今は「登記事項証明書」として交付されます。

亡くなった親の不動産の登記事項証明書を取るのに、戸籍は必要ですか?

登記事項証明書は誰でも請求できるので、戸籍は必要ありません。

固定資産評価証明書は、相続人であることを示すために戸籍が必要です。

評価証明書に載っていない土地があります

固定資産税がかからない土地(免税点未満の土地や私道など)は、評価証明書の請求の仕方によっては載らないことがあります。

名寄帳で、市区町村内の土地をすべて確認しましょう。

まとめ

  • 登記事項証明書は法務局で誰でも取れる。書面600円、オンライン請求520円(郵送受取)・490円(窓口受取)
  • 固定資産評価証明書は市区町村(東京23区は都税事務所)で、相続人は戸籍を添えて請求する
  • 相続登記の登録免許税は、申請する年度の評価額×0.4%
  • 不動産の場所が分からなければ、名寄帳や所有不動産記録証明書で調べる

監修者

行政書士(2018年11月開業)・社会保険労務士試験合格。遺産分割協議書の作成や相続人の調査(戸籍の収集)など、相続の書類づくりに携わっています。

このサイトでは、法務局・裁判所・国税庁・金融機関などが公表している一次資料で確かめた内容だけを書いています。詳しくは運営者情報をご覧ください。

参考資料:法務省「登記手数料について」(令和7年4月1日以降)/不動産登記法119条・119条の2/登録免許税法別表第一/地方税法382条の3・387条(2026年9月30日確認)

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