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相続財産の調べ方|名寄帳・所有不動産記録証明書・預金・株式・借金の調査方法

相続財産の調べ方 相続手続き
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家族が亡くなったあと、最初にぶつかるのが「何が、どこに、どれだけあるのかわからない」という問題です。

遺産分割も、相続放棄するかどうかの判断も、相続税がかかるかどうかも、財産がわからないと始められません。

この記事では、不動産・預貯金・株式・生命保険・借金の調べ方を、わかりやすく説明します。

名寄帳、所有不動産記録証明制度、ほふり、生命保険契約照会制度、信用情報の開示など、公的な制度を中心に紹介します。

先に結論
  • まずは自宅で、通帳・郵便物・固定資産税の通知・スマホを確認する
  • 不動産は市区町村の名寄帳と、2026年2月に始まった所有不動産記録証明制度で調べる
  • 株式はほふり、生命保険は生命保険協会、借金は信用情報機関に照会できる
  • 相続放棄を考えるなら、3か月の期限を意識して、借金の調査を先に進める

この記事の監修:行政書士(2018年開業・社会保険労務士試験合格)。

法務局・裁判所・国税庁などの一次資料で内容を確認しています。

財産調査はなぜ急ぐ必要があるのか

相続の財産調査には、はっきりした期限はありません。

しかし、次の2つの期限があるため、実際には早めに進める必要があります。

期限 内容
3か月 相続放棄・限定承認をするかどうかの判断(相続を知ったときから)
10か月 相続税の申告・納付(相続を知った日の翌日から)

特に大事なのが、3か月の期限です。

借金が多いかもしれない場合は、財産を調べてから相続放棄するかどうかを決めます。

調査に時間がかかりそうなら、家庭裁判所に期限の延長(熟慮期間の伸長)を申し立てることもできます。

相続放棄については相続放棄とは?期限・費用・注意点で解説しています。

財産調査を進める順番

相続財産の調査を進める順番

財産調査は、やみくもに始めるより、順番を決めて進めると早く終わります。

  • STEP 1
    戸籍を集めて相続人を確定する
    銀行や法務局への照会では、相続人であることを戸籍で示す必要がある
  • STEP 2
    法定相続情報一覧図を作る
    戸籍の束の代わりに使え、ほふりの開示請求も安くなる
  • STEP 3
    自宅の手がかりを集める
    通帳、郵便物、納税通知書、スマートフォン
  • STEP 4
    借金を調べる
    相続放棄の判断に必要なので、信用情報の開示を先に請求する
  • STEP 5
    プラスの財産を調べる
    名寄帳、所有不動産記録証明書、残高証明書、ほふり、生命保険
  • STEP 6
    財産目録にまとめる
    相続人全員で共有し、遺産分割の話し合いに使う

最初に戸籍をそろえておくと、あとの照会で何度も戸籍を取り直す手間が省けます。

法定相続情報一覧図の作り方は法定相続情報一覧図の作り方で解説しています。

まずは自宅で手がかりを探す

公的な照会を使う前に、まずは自宅にある手がかりを集めます。

ここで見つかる情報が多いほど、あとの調査が楽になります。

探す場所 わかること
通帳・キャッシュカード 口座のある銀行。入出金から、証券会社・保険会社・ローンの存在もわかる
郵便物 取引報告書、保険料の通知、配当金のお知らせ、借入れの明細など
固定資産税の納税通知書 市区町村内の不動産(課税明細書に土地・建物が載っている)
確定申告書の控え 不動産収入、配当、年金などの収入の種類
スマートフォン・パソコン ネット銀行・ネット証券のアプリ、メール、電子マネー
貸金庫の鍵・金庫 権利証、証書、貴金属など

通帳の入出金は宝の山

通帳の記録からは、ほかの財産や借金の手がかりが見つかることがよくあります。

  • 「○○証券」への入金や、配当金の入金 → 株式・投資信託がある
  • 「○○生命」への引き落とし → 生命保険に入っている
  • カード会社・消費者金融への引き落とし → 借入れやリボ払いがある
  • 家賃の入金 → 賃貸している不動産がある

通帳がない口座も、ほかの口座からの振替で見つかることがあります。

不動産の調べ方

名寄帳と所有不動産記録証明制度の違い

不動産は、主に次の3つの方法で調べます。

  • STEP 1
    固定資産税の課税明細書を見る
    毎年春ごろに届く納税通知書に同封されている
  • STEP 2
    名寄帳を取る
    市区町村ごとに、その人が持っている不動産の一覧を取る
  • STEP 3
    所有不動産記録証明書を取る
    全国の登記簿から、その人が所有者として登記されている不動産を調べる

名寄帳(なよせちょう)とは

名寄帳は、市区町村が固定資産税のために作っている、所有者ごとの不動産の一覧です。

その市区町村の中にある、亡くなった方名義の土地・建物がまとめて載っています。

納税通知書の課税明細書には、税金がかからない土地(固定資産税の免税点未満のものや、私道など)が載っていないことがあります。

名寄帳を取ると、こうした土地も含めて確認できることが多く、登記漏れを防げます。

名寄帳の取り方

項目 内容
請求先 不動産がある市区町村の資産税課など(東京23区は都税事務所)
請求できる人 相続人など
主な必要書類 亡くなった方の死亡がわかる戸籍、請求者が相続人であることがわかる戸籍、本人確認書類
手数料 市区町村ごとに違う
方法 窓口のほか、郵送で請求できる市区町村も多い

名寄帳は、市区町村ごとの一覧です。

ほかの市区町村にも不動産がありそうなら、それぞれの市区町村に請求する必要があります。

名寄帳を取るときに、あわせて固定資産評価証明書も取っておくと、相続登記や相続税の計算に使えます。

名寄帳の見方

名寄帳には、不動産ごとに次のような情報が載っています。

項目 見るポイント
所在・地番(家屋番号) 登記事項証明書を取るときや、遺産分割協議書に書くときに使う
地目・家屋の種類 宅地・田・畑・山林、居宅・倉庫など
面積(地積・床面積) 登記の面積と違うこともある
評価額 固定資産税の評価額。相続税の計算や登録免許税の計算の元になる
課税標準額・税額 税金がかからない土地は、ここが0になっていることがある

名寄帳に載っていても、登記簿の名義は祖父母のまま、ということもあります。

見つかった不動産は、必ず登記事項証明書でも名義を確かめましょう。

所有不動産記録証明制度(2026年2月開始)

名寄帳の弱点は、「どの市区町村に不動産があるか」がわからないと調べられないことです。

これを補うのが、2026年2月2日に始まった「所有不動産記録証明制度」です。

登記官が全国の登記記録から、特定の人が所有者として登記されている不動産を探し、一覧にした証明書を出してくれます。

項目 内容
請求できる人 本人、相続人など
請求先 全国どこの登記所(法務局)でも。窓口・郵送・オンライン
手数料(1通・検索条件1つあたり) 書面請求1,600円/オンライン請求で郵送受け取り1,500円・窓口受け取り1,470円
相続人が請求するときの書類 戸籍または法定相続情報一覧図の写し、印鑑証明書か本人確認書類の写しなど

注意したいのは、登記簿の所有者の氏名・住所で検索するという点です。

  • 亡くなった方が引っ越す前の住所のまま登記している不動産は、今の住所では見つからないことがある
  • 検索では、氏名に加えて、住所(市区町村名や住所の末尾など)が一致するものが対象になる
  • 該当する不動産がなくても、「該当なし」の証明書が出され、手数料はかかる
  • コンピュータ化されていない古い登記記録は対象外
  • 始まったばかりの制度のため、交付まで2週間程度かかることがある

過去の住所がいくつかある場合は、住所を変えて検索条件を増やすと、見落としを減らせます。

戸籍の附票を取ると、亡くなった方の住所の移り変わりを確認できます。

見つけた不動産の中身を確認する

不動産が見つかったら、法務局で登記事項証明書を取り、次の点を確認します。

  • 所有者は本当に亡くなった方だけか(共有になっていないか)
  • 抵当権などの担保が残っていないか
  • 祖父母などの名義のままになっていないか

祖父母の名義のままの土地は、何代にもわたって相続人が増えている可能性があります。

その場合の協議書の作り方は代償分割・数次相続の遺産分割協議書で解説しています。

預貯金の調べ方

銀行に残高証明書を請求する

口座のある銀行がわかったら、相続人として「残高証明書」を請求します。

残高証明書には、亡くなった日時点の残高が書かれています。相続税の申告や、遺産分割の話し合いの資料になります。

  • 請求には、亡くなった方の死亡がわかる戸籍、相続人であることがわかる戸籍、本人確認書類などが必要
  • 手数料は銀行ごとに違う
  • 定期預金は、亡くなった日までの利息(既経過利息)も計算してもらうと、相続税の計算が正確になる

相続人の1人からでも請求できるのが一般的です。

ほかの相続人が通帳を持っていて見せてくれない場合も、この方法で残高を確認できます。

口座があるかわからない銀行

口座があるかどうかわからない銀行には、相続人として「口座の有無」を照会できます。

ただし、銀行ごとに問い合わせる必要があります。

地元の銀行や信用金庫、農協(JA)、勤務先の近くの銀行など、心当たりのある金融機関から順に確認していきます。

ゆうちょ銀行は、「現存照会」という手続きで、亡くなった方名義の貯金を調べてもらえます。

詳しくはゆうちょ銀行の相続手続きで解説しています。

マイナンバーを使った口座の照会

2025年4月からは、預貯金口座管理制度(口座管理法)にもとづく照会ができるようになりました。

相続人が1つの金融機関の窓口などで申し込むと、亡くなった方のマイナンバーが付番された預貯金口座の所在を、ほかの金融機関の分もまとめて確認できます。

  • 申し込めるのは、法定相続人や包括受遺者
  • 対象は、マイナンバーが付番されている口座だけ(付番されていない口座は見つからない)
  • 手数料がかかる(額は申し込む金融機関で確認)

マイナンバーを口座に届け出ていない人も多いため、この照会で「見つからない」からといって、口座がないとは限りません。

自宅の手がかりと組み合わせて使いましょう。

ネット銀行に注意

ネット銀行は通帳がなく、郵便物もほとんど届きません。

スマートフォンのアプリ、メール、ほかの口座からの送金記録などを確認しましょう。

株式・投資信託の調べ方

財産の種類ごとの照会先

証券会社の口座は、証券保管振替機構(ほふり)に「登録済加入者情報の開示請求」をすると、亡くなった方が口座を開いていた証券会社などがわかります。

請求する人 費用(税込・2026年10月1日から)
法定相続人(法定相続情報一覧図を使う) 6,050円
法定相続人(法定相続情報一覧図を使わない) 7,700円

わかるのは証券会社などの名前で、銘柄や株数は、わかった証券会社に問い合わせて確認します。

証券会社で口座を持っていなかった株式(特別口座の株式)は、配当金のお知らせなどに書かれた株主名簿管理人(信託銀行など)に問い合わせます。

株式の相続の流れは株式の相続手続きで解説しています。

生命保険の調べ方

生命保険は、生命保険協会の「生命保険契約照会制度」で調べられます。

この制度を使うと、協会に加盟している生命保険会社に、亡くなった方が契約者・被保険者になっている契約があるかをまとめて確認できます。

項目 内容
使える場面 家族が亡くなったとき、認知判断能力が低下したとき(医師の診断が必要)
利用料(調べる人1人につき) Web申請6,000円/書面申請7,000円
わかること 契約があるかどうか。照会した人が死亡保険金の受取人になっている契約は、その旨も回答される

照会でわかるのは、契約の有無までです。

保険金の請求は、それぞれの保険会社に行います。

保険金の請求には期限(多くの保険会社で3年)があるので、早めに手続きしましょう。

生命保険は相続財産になる?

受取人が決まっている死亡保険金は、原則として受取人の固有の財産で、遺産分割の対象にはなりません。

ただし、相続税の計算では「みなし相続財産」として扱われ、非課税枠(500万円×法定相続人の数)を超える部分が課税の対象になります。

相続税がかかるかどうかは相続税はいくらからかかる?で確認できます。

借金(マイナスの財産)の調べ方

信用情報に載らない借金

相続では、借金も受け継ぎます。

プラスの財産より借金が多そうなら、相続放棄を検討するため、借金の調査は特に急ぎます。

信用情報機関に開示請求する

クレジットカード、カードローン、消費者金融、銀行ローンなどの借入れは、信用情報機関に登録されています。

相続人は、亡くなった方の信用情報の開示を請求できます。

信用情報機関 主な加盟会社
CIC(シー・アイ・シー) クレジットカード会社、信販会社など。郵送での開示は1,500円
JICC(日本信用情報機構) 消費者金融など
KSC(全国銀行個人信用情報センター) 銀行、信用金庫など

3つの機関は加盟している会社が違うので、借入れの心当たりがある場合は、3つとも請求すると見落としが減ります。

手数料や必要書類は、それぞれの機関のホームページで確認しましょう。

信用情報に載らない借金

次のような借金や負担は、信用情報には載りません。

  • 個人からの借入れ(知人・親族からの借金)
  • 連帯保証人になっている債務
  • 未払いの税金・国民健康保険料・介護保険料
  • 未払いの医療費、施設の利用料、家賃

督促状や請求書などの郵便物、契約書の控えを確認しましょう。

特に連帯保証は、本人も家族に話していないことが多いので、会社を経営していた方などは注意が必要です。

借金が多いかどうか、はっきりしないとき

調べても、プラスの財産と借金のどちらが多いか判断できないこともあります。

その場合は、「限定承認」という方法があります。

限定承認は、受け継いだプラスの財産の範囲でだけ借金を払う、という相続の仕方です。

ただし、相続人全員でそろって、3か月以内に家庭裁判所に申し立てる必要があり、手続きも複雑です。

3か月では調査が終わらない場合は、先に期限の延長を家庭裁判所に申し立てることを検討しましょう。

そのほかに見落としやすい財産

  • 自動車:車検証で所有者を確認する。ローン会社が所有者になっていることもある。手続きは車の相続手続き
  • 未支給の年金・給与:亡くなった月までの年金、最後の給与や退職金
  • 貸付金:家族や知人にお金を貸していた場合の返してもらう権利
  • ゴルフ会員権・リゾート会員権:会員証や年会費の通知
  • 電子マネー・ポイント・暗号資産:スマートフォンのアプリやメール
  • 貴金属・美術品・骨とう品:価値が高いものは相続税の計算にも入る

財産調査にかかる費用の目安

ここまで紹介した調査の費用を、一覧にまとめます。

調べるもの 方法 費用
不動産(市区町村ごと) 名寄帳 市区町村ごとに違う
不動産(全国) 所有不動産記録証明書 書面1,600円/オンライン1,500円・1,470円
預貯金 残高証明書 銀行ごとに違う
預貯金(マイナンバー付番口座) 相続時の口座照会 手数料あり(申し込む金融機関で確認)
株式 ほふりの開示請求 6,050円/7,700円(2026年10月1日から)
生命保険 生命保険契約照会制度 Web6,000円/書面7,000円
借金 信用情報の開示 CICは郵送1,500円。ほかは各機関で確認

このほか、戸籍謄本や郵送の費用がかかります。

すべてを使う必要はありません。自宅の手がかりから見当がつくものは、直接その会社に問い合わせるのが早くて安上がりです。

調査の途中でやってはいけないこと

相続放棄をする可能性があるうちは、財産を「処分」しないように注意します。

亡くなった方の預金を引き出して使ったり、不動産や車を売ったりすると、相続を認めた(単純承認した)とみなされ、相続放棄ができなくなることがあります。

  • 預金を引き出して、自分の生活費などに使う
  • 亡くなった方の借金を、相続財産から返す
  • 不動産・車・株式を売る、名義を変える

残高証明書の請求や、名寄帳・信用情報の取得など、「調べるだけ」の行為は処分にはあたりません。

安心して調査を進めましょう。

調べた財産は「財産目録」にまとめる

調べた財産は、一覧表(財産目録)にまとめておきましょう。

相続人全員で同じ一覧を見ながら話し合えるので、遺産分割の話し合いがスムーズになります。

書いておく項目 例
財産の種類 土地・建物・預金・株式・保険・借入れなど
特定する情報 所在・地番、銀行名・支店・口座番号、証券会社名など
金額 残高証明書、固定資産評価額などの金額
根拠の資料 残高証明書、名寄帳、登記事項証明書など

財産目録ができたら、遺産分割協議書に落とし込みます。

書き方と無料の雛形は遺産分割協議書の書き方|Word雛形4パターンにあります。

協議書には「あとから見つかった財産は○○が取得する」という条項を入れておくと、調査で見落とした財産が出てきても協議をやり直さずに済みます。

財産目録のExcel雛形(無料)

このページの項目に合わせた財産目録のExcelを用意しました。

見つかった財産を1行ずつ書くと、プラスの財産・マイナスの財産・差し引きが自動で計算されます。

財産目録の雛形をダウンロード(Excel)

「根拠資料」の欄に残高証明書などの書類名を書いておくと、ほかの相続人に説明しやすくなります。

財産調査で集めた資料の使いみち

財産調査で集めた資料は、そのあとの手続きでもそのまま使います。

どの資料をどこで使うかを知っておくと、同じ書類を何度も取り直す手間が省けます。

資料 主な使いみち
名寄帳・固定資産評価証明書 相続登記の登録免許税の計算、相続税の申告、遺産分割の話し合い
登記事項証明書 遺産分割協議書に不動産を書くとき(所在・地番を正確に写す)
残高証明書 相続税の申告、遺産分割の話し合い
ほふりの開示結果・証券会社の残高証明書 株式の名義変更、相続税の申告
信用情報の開示結果 相続放棄・限定承認の判断、借金の返済の分担の話し合い
法定相続情報一覧図の写し 銀行・証券会社・法務局など、ほぼすべての手続き

相続登記に必要な書類は相続登記の必要書類と自分でやる手順で解説しています。

コピーを取ってから提出する

銀行や法務局に出す書類は、原本を返してもらえる場合と、返ってこない場合があります。

出す前にコピーを取っておくと、あとで内容を確認したいときに困りません。

財産目録と一緒に、ファイルにまとめて保管しておきましょう。

モデルケース:父の財産を3か月で調べる

たとえば、父が亡くなり、母と子2人が相続人で、父の財産の全体がよくわからない場合で考えます。

時期 やること
1週目 自宅で通帳・郵便物・固定資産税の通知・スマートフォンを確認し、見つかったものを財産目録に書き出す
2〜3週目 戸籍を集めて法定相続情報一覧図を作る。信用情報機関に開示請求をして借金を調べる
1か月目 銀行に残高証明書、市区町村に名寄帳を請求。必要なら所有不動産記録証明書も請求する
2か月目 ほふりの開示請求、生命保険契約照会の結果を確認し、財産目録を完成させる
3か月目まで プラスとマイナスを比べて、相続するか相続放棄するかを家族で決める

このように、借金の調査と一覧図の作成を早めに始めると、3か月の期限の中で判断しやすくなります。

固定資産税の払い方と手続きは相続した家の固定資産税は誰が払う?で解説しています。

証明書の取り方と手数料は登記簿謄本と固定資産評価証明書の取り方で説明しています。

生前に財産の情報をまとめておくならエンディングノートの書き方(無料ひな形)を参考にしてください。

かんぽ生命に入っていたかの調べ方は、かんぽ生命の相続手続きで説明しています。

相続税がかかりそうな場合や、申告が必要か迷う場合は、税理士に相談すると具体的な税額を確かめられます。

権利証がなくても不動産を調べられます。見つからないときの対応は、権利証・登記識別情報をなくしたら(相続登記と売却の方法)で説明しています。

見つかった財産をまとめる財産目録の書き方は、財産目録の書き方とひな形(Excel・Word・無料)で説明しています。

調べても借金の額が分からないときの選択肢は限定承認とはで説明しています。

相続した不動産を売る場合

相続登記が終わると、相続した家や土地を売ることができます。

売るかどうか迷っている段階でも、査定を取っておくと、遺産分割の話し合いで価格の目安になります(相続した不動産の価格の調べ方)。

相続放棄を考えている人は、売買契約の前に放棄するかどうかを決めてください(相続財産を処分すると、民法921条1号により単純承認とみなされることがあります)。

相続した不動産の売却・買取の相談先(比較)

特例の期限が迫っている場合や、ふつうの仲介では売りにくい不動産は、買取の査定もあわせて比べてみましょう。

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住める状態の家は仲介の査定、傷みが大きい家や権利関係が複雑な家は買取の査定も取り、両方の金額を比べてから売り方を決めましょう。

よくある質問

財産調査に期限はありますか?

財産調査そのものに期限はありません。

ただし、相続放棄の判断は3か月、相続税の申告は10か月の期限があるので、その前に終わらせる必要があります。

ほかの相続人が財産を教えてくれません

相続人であれば、1人でも銀行の残高証明書や、名寄帳などを請求できるのが一般的です。

この記事で紹介した方法で、自分で調べることができます。

名寄帳は全国の不動産がわかりますか?

わかりません。

名寄帳は、請求した市区町村の中にある不動産だけの一覧です。

全国の不動産を調べるなら、所有不動産記録証明制度をあわせて使います。

財産調査を誰かに頼めますか?

戸籍の収集や、財産目録の作成などは、専門家に依頼することもできます。

相続税がかかりそうな場合は、財産の評価も含めて税理士に相談するのが一般的です。

貸金庫はどうやって開けますか?

亡くなった方の貸金庫は、銀行に亡くなったことを伝えると、自由に開けられなくなります。

開けるときは、相続人全員の同意や立ち会いを求められることが多いので、取引のある銀行に手続きを確認しましょう。

貸金庫には、遺言書や権利証、保険証券などが入っていることがあります。

スマートフォンのロックが解除できません

パスワードがわからないスマートフォンは、ロックの解除が難しいことが多いです。

ネット銀行やネット証券は、通帳のある口座からの入出金や、確定申告書の控え、メールの通知などから手がかりを探しましょう。

相続財産がほとんどない場合も調査は必要ですか?

財産が少ないと思っていても、借金や、忘れられていた土地が見つかることがあります。

特に、相続放棄をするかどうか迷っている場合は、信用情報の開示など、借金の調査だけでもしておくと安心です。

亡くなった方が遠方に住んでいました

名寄帳や残高証明書、信用情報の開示は、郵送で請求できるものが多いです。

所有不動産記録証明書は、全国どこの法務局でも、オンラインでも請求できます。

現地に行かなくても、かなりの部分は自宅から調べられます。

相続税の申告が必要かどうかは、いつわかりますか?

財産の総額がわかった段階で、基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)と比べると、目安がわかります。

基礎控除を超えそうな場合は、10か月の申告期限に間に合うよう、早めに税理士に相談しましょう。

ネット証券やネット銀行の口座も、ほふりでわかりますか?

ほふりの開示請求では、ネット証券を含め、口座を開いていた証券会社などがわかります。

ネット銀行の預金は、ほふりの対象ではありません。スマートフォンのアプリや、ほかの口座からの送金記録で探しましょう。

亡くなった方の年金はどう調べますか?

年金を受け取っていた方が亡くなると、亡くなった月の分までの年金で、まだ受け取っていないもの(未支給年金)があることがあります。

未支給年金は、亡くなった方と生計を同じくしていた遺族が、年金事務所などに請求して受け取ります。

年金証書や、年金の振込通知書を探しておきましょう。

まとめ

  • まずは自宅で、通帳・郵便物・固定資産税の通知・スマートフォンを確認する
  • 不動産は、市区町村ごとの名寄帳と、全国を検索できる所有不動産記録証明制度(2026年2月開始)で調べる
  • 預金は銀行の残高証明書、株式はほふり、生命保険は生命保険協会で調べる
  • 借金はCIC・JICC・KSCの3つの信用情報機関で調べる。連帯保証や税金の滞納は郵便物で確認
  • 相続放棄を考えるなら、3か月の期限までに調査を終える

監修者

行政書士(2018年11月開業)・社会保険労務士試験合格。

遺産分割協議書の作成や相続人の調査(戸籍の収集)など、相続の書類づくりに携わっています。

このサイトでは、法務局・裁判所・国税庁・金融機関などが公表している一次資料で確かめた内容だけを書いています。

詳しくは運営者情報をご覧ください。

参考資料:法務省「所有不動産記録証明制度について」/証券保管振替機構「登録済加入者情報の開示請求」/生命保険協会「生命保険契約照会制度」/デジタル庁「預貯金口座付番制度について(よくある質問)」(2026年9月25日確認)

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