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かんぽ生命の相続手続き|死亡保険金の請求・契約者が亡くなったときの変更・必要書類と注意点

かんぽ生命の相続手続き 相続手続き
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亡くなった親が、郵便局でかんぽ生命(簡易保険)に入っていたという家庭は少なくありません。

かんぽ生命の手続きは、亡くなった人が「保険をかけられていた人」か「保険料を払っていた人」かで変わります。

また、受取人が先に亡くなっていた場合の扱いが、ほかの保険会社と違う点にも注意が必要です。

この記事では、かんぽ生命の公式の案内と、保険法・国税庁の案内をもとに、相続のときの手続きを説明します。

加入していたかの調べ方、必要書類、税金、相続放棄との関係も整理しました。

先に結論
  • 被保険者が亡くなったら、受取人が郵便局の保険窓口か担当者の訪問で死亡保険金を請求する
  • 契約者だけが亡くなった場合、保険は続く。相続人が契約者を変更する手続きをする
  • 受取人が先に亡くなっていた場合、かんぽ生命は約款により被保険者の遺族が新しい受取人になる
  • 加入していたかわからないときは、郵便局への問い合わせや生命保険協会の照会制度で調べられる
  • 保険金の請求権には時効がある。保険法では3年なので早めに請求する

この記事の監修:行政書士(2018年開業・社会保険労務士試験合格)。法務局・裁判所・国税庁などの一次資料で内容を確認しています。

亡くなった人の立場で手続きが変わる

かんぽ生命の手続きは亡くなった人が被保険者か契約者かで変わる

保険の契約には、3つの役割があります。

役割 意味
契約者 契約を結び、保険料を払う人
被保険者 保険をかけられている人。この人が亡くなると死亡保険金が出る
受取人 保険金を受け取る人

亡くなった人がどの役割だったかで、することが変わります。

亡くなった人 主な手続き 手続きする人
被保険者(契約者も同じ人) 死亡保険金の請求 受取人
契約者だけ(被保険者は子など) 契約者の変更 契約者の相続人
受取人だけ 受取人の変更 契約者

まず保険証券を見て、亡くなった人がどの欄に書かれているかを確かめましょう。

かんぽ生命に加入していたか調べる方法

保険証券が見つからないときは、次の方法で手がかりを探します。

  • 通帳で、保険料の引き落とし(「カンポ」など)がないか確かめる
  • 郵便物の中に、かんぽ生命からの「ご契約内容のお知らせ」などがないか探す
  • 近くの郵便局(簡易郵便局を除く)や、かんぽ生命の支店、かんぽコールセンターに問い合わせる

どの保険会社に入っていたかまったくわからないときは、生命保険協会の「生命保険契約照会制度」も使えます。

かんぽ生命も生命保険協会の会員会社なので、照会の対象になります。

利用料は、調べる人1人につきWeb申請で6,000円、書面申請で7,000円です。

ほかの財産の調べ方は相続財産の調べ方で説明しています。

死亡保険金の請求の流れ

かんぽ生命の死亡保険金の請求の流れ

  • STEP 1
    保険証券を探す
    記号番号がわかると手続きが早く進む
  • STEP 2
    連絡する
    郵便局の保険窓口、かんぽ生命の支店、かんぽコールセンター
  • STEP 3
    案内を受ける
    契約の内容に合わせて、必要な書類が案内される
  • STEP 4
    書類をそろえる
    死亡診断書の写しなど
  • STEP 5
    請求する
    担当者の訪問か、郵便局の保険窓口で手続きする
  • STEP 6
    入金
    審査のあと、受取人の口座に振り込まれる

かんぽ生命は、死亡保険金の請求は受取人本人が行うよう案内しています。

窓口は、担当者・郵便局(簡易郵便局を除く)・かんぽ生命の支店などです。

審査に時間がかかる場合もあるとしているので、葬儀費用などにあてる予定なら早めに動きましょう。

必要書類

受取人が指定されていて、受取人本人が請求する場合の主な書類は次のとおりです。

書類 ポイント
保険証券(記号番号がわかるもの) なくても手続きできる場合がある
受取人の本人確認書類 運転免許証、マイナンバーカードなど
受取人名義の通帳かキャッシュカード 振込先の確認
被保険者の生年月日がわかる書類 健康保険証などの写しなど
死亡を証明する書類 死亡診断書(写し可)、会社所定の死亡証明書、死亡届の記載事項証明書のいずれか

受取人の指定がなく、受け取る人が複数いる場合は、戸籍謄本や、誓約書・代表者選定届が必要になることがあります。

ケガが原因で亡くなった場合は、事故の報告書が追加で必要です。

戸籍の集め方は相続の戸籍謄本の集め方で説明しています。

死亡診断書は写しをとっておく

死亡診断書は、死亡届と一緒に市区町村に出すと手元に残りません。

保険金の請求などで使うので、提出する前に何枚かコピーをとっておきましょう。

出したあとでも、市区町村で「死亡届の記載事項証明書」を請求できる場合があります。

受取人が先に亡くなっていたとき

受取人が先に亡くなっていた場合、かんぽ生命は被保険者の遺族、他社は一般に受取人の法定相続人が新しい受取人になる

受取人が被保険者より先に亡くなり、受取人を変えていなかった場合は注意が必要です。

保険法では、受取人の相続人全員が新しい受取人になるのが原則です(保険法46条)。

ところが、かんぽ生命は約款で、被保険者の遺族を新しい受取人にすると定めています。

かんぽ生命は、保険の目的を被保険者や遺族の生活の安定と考えているためと説明しています。

遺族の具体的な範囲と順番は約款で決まっているので、手続きの前に郵便局で確認しましょう。

「法定相続人が受け取るもの」と思い込んで話を進めると、受け取る人が違っていたということもありえます。

契約者が亡くなったとき(契約者の変更)

例えば、親が契約者で保険料を払い、子が被保険者になっている学資保険や養老保険があります。

この場合、親が亡くなっても保険は続きます。

かんぽ生命は、契約者の変更の手続きは契約者の相続人が行うよう案内しています。

郵便局、かんぽ生命の支店、かんぽコールセンターに相談します。

誰が新しい契約者になるかは、相続人どうしで話し合って決めます。

この場合は相続税の対象になる

契約者が亡くなった時点では、まだ保険金は支払われていません。

ただ、亡くなった人が保険料を払っていた契約の権利は「生命保険契約に関する権利」として、相続税の対象になります。

評価額は、原則として亡くなった日に解約したとした場合の解約返戻金の額です。

個別の評価や申告は、税理士または税務署に確認してください。

死亡保険金にかかる税金

死亡保険金にかかる税金は、誰が保険料を払っていたかで決まります。

保険料を払っていた人 被保険者 受取人 税金
亡くなった親 亡くなった親 子 相続税
子 亡くなった親 子 所得税・住民税
母 亡くなった父 子 贈与税

相続税の対象になる場合、相続人が受け取る保険金には「500万円×法定相続人の数」の非課税枠があります。

契約の形ごとの税金は死亡保険金と相続税でくわしく説明しています。

相続放棄をしても受け取れる?

受取人として指定された死亡保険金は、受取人の財産として扱われます。

そのため、相続放棄をしても、受取人として保険金を受け取ることができます。

ただし、相続放棄をした人は相続人ではなくなるので、非課税枠は使えません。

一方、契約者の変更は「生命保険契約に関する権利」という相続財産を受け継ぐことです。

そのため、相続放棄をした人は新しい契約者になれません。

相続放棄の注意点は相続放棄とはで確認できます。

請求の期限(時効)

保険金を請求する権利は、保険法では3年で時効になるとされています(保険法95条)。

かんぽ生命の契約でも、亡くなってから時間がたつほど書類を集めにくくなります。

葬儀が終わって落ち着いたら、ほかの手続きと並行して早めに請求しましょう。

亡くなったあとの手続き全体は死亡後の手続き一覧と期限で確認できます。

手続きの前に確認したいこと

  • 保険証券の契約者・被保険者・受取人の欄に誰が書かれているか
  • 亡くなった人がほかにかんぽ生命の契約を持っていないか(複数あることも多い)
  • 受取人が今も生きているか。先に亡くなっていないか
  • 相続放棄をする予定の人がいないか
  • 相続税の申告が必要になりそうか(基礎控除=3,000万円+600万円×法定相続人の数)

相続税の申告をする場合、保険金の支払いを証明する書類が必要になるので、届いた書類は捨てずに保管しておきましょう。

相続税がかかるかどうかは相続税はいくらからかかる?で確認できます。

ゆうちょ銀行の手続きとは別

同じ郵便局の窓口でも、かんぽ生命(保険)とゆうちょ銀行(貯金)は別の会社です。

貯金の相続手続きは、ゆうちょ銀行で別に行う必要があります。

流れと必要書類はゆうちょ銀行の相続手続きで説明しています。

残された家族の保険を見直す

親の保険の手続きをきっかけに、自分の保険の受取人や保障額を見直す人も多くいます。

受取人が亡くなった親のままになっていないか、家族構成が変わっていないかを確認しておきましょう。

よくある質問

保険証券をなくしてしまいました

保険証券がなくても、郵便局などに相談すれば手続きを進められる場合があります。

亡くなった人の氏名や生年月日、住所などを伝えて確認してもらいましょう。

代理人が手続きできますか?

かんぽ生命は、委任状などを使った代理人による請求の方法も案内しています。

必要な書類が変わるので、事前にコールセンターなどで確認してください。

民営化の前(簡易保険)の契約も同じ窓口ですか?

民営化の前に入った簡易生命保険の契約も、かんぽ生命が保険金の支払いなどの業務を受託しています。

窓口は同じ郵便局やかんぽ生命の支店です。

保険金はいつ振り込まれますか?

かんぽ生命は、請求の内容によっては審査に時間がかかる場合があるとしています。

書類がそろっているほど早く進むので、案内された書類は一度にまとめて出しましょう。

まとめ

  • 被保険者が亡くなったら受取人が死亡保険金を請求する。窓口は郵便局(簡易郵便局を除く)や担当者の訪問
  • 契約者だけが亡くなった場合は、相続人が契約者を変更する。この権利は相続税の対象
  • 受取人が先に亡くなっていた場合、かんぽ生命は約款で被保険者の遺族が受取人になる
  • 加入がわからなければ郵便局への問い合わせや生命保険協会の照会制度で調べる
  • 保険金の請求権には時効があるので、早めに請求する

監修者

行政書士(2018年11月開業)・社会保険労務士試験合格。遺産分割協議書の作成や相続人の調査(戸籍の収集)など、相続の書類づくりに携わっています。

このサイトでは、法務局・裁判所・国税庁・金融機関などが公表している一次資料で確かめた内容だけを書いています。詳しくは運営者情報をご覧ください。

参考資料:かんぽ生命保険「死亡保険金・死亡給付金のご請求」・よくある質問(契約者が亡くなった場合の契約者変更)・ご契約のしおり(用語解説「遺族/法定相続人」)/一般社団法人生命保険協会「生命保険契約照会制度」/保険法46条・95条/国税庁 相続税の課税対象になる死亡保険金・生命保険契約に関する権利(2026年10月4日確認)

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