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相続放棄申述受理証明書の取り方|申請できる人・費用150円・必要書類・有無の照会

相続手続き
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相続放棄が家庭裁判所に受理されると、「相続放棄申述受理通知書」が届きます。

ところが、銀行や法務局、債権者から「受理証明書を出してください」と言われることがあります。

この記事では、相続放棄申述受理証明書の取り方を説明します。

根拠は、東京・大阪・名古屋・仙台などの家庭裁判所が公開している案内です。

申請できる人、費用、必要書類、事件番号がわからないときの照会まで、順に整理しました。

郵送で申請するときの送付状と同封物チェックリストも、Wordで用意しています。

先に結論
  • 受理証明書は、相続放棄が受理されたことを第三者に示すための証明書。受理通知書とは別の書類
  • 申請先は、放棄の申述を受理した家庭裁判所(被相続人の最後の住所地の家庭裁判所)
  • 手数料は申述人1人の証明書1通につき収入印紙150円。郵送なら返信用封筒と切手も同封する
  • 放棄した本人のほか、他の相続人や債権者など利害関係人も申請できる。利害関係を示す資料が必要
  • 事件番号がわからないときは、先に「相続放棄・限定承認の申述の有無についての照会」(手数料は不要)をする

この記事の監修:行政書士(2018年開業・社会保険労務士試験合格)。法務局・裁判所・国税庁などの一次資料で内容を確認しています。

相続放棄申述受理証明書とは

相続放棄申述受理証明書は、家庭裁判所が「この人の相続放棄の申述を受理した」と証明する書類です。

相続放棄は、家庭裁判所に申述して受理されることで効力が生じます(民法938条)。

放棄した人は、初めから相続人ではなかったものとみなされます(民法939条)。

この事実を、銀行・法務局・債権者などの第三者に示すときに使うのが受理証明書です。

証明書の交付は、家事事件の記録に関する証明として請求するものです(家事事件手続法47条)。

受理通知書と受理証明書の違い

相続放棄申述受理通知書と受理証明書の違い

受理通知書は、申述が受理されたことを申述人に知らせるために、家庭裁判所から送られてくる書類です。

受理証明書は、申請した人に交付される証明書です。

項目 受理通知書 受理証明書
受け取り方 受理後に家庭裁判所から届く 自分で申請して交付を受ける
費用 かからない 1通150円(収入印紙)
受け取れる人 申述人 申述人と利害関係人
主な使いみち 受理されたことの確認、証明書申請の資料 第三者への提出

提出先によっては、受理通知書のコピーで足りるとする扱いもあります。

どちらが必要かは、提出先によって違うので、申請の前に確認しておくと二度手間を防げます。

受理通知書は、証明書を申請するときの資料にもなるので、なくさずに保管しておきましょう。

受理証明書が必要になる場面

相続放棄申述受理証明書が必要になる5つの場面

受理証明書は、主に「放棄した人を相続人から外して手続きを進める」場面で求められます。

場面 提出する人 提出先
相続登記 放棄しなかった相続人 法務局
預貯金の解約・名義変更 放棄しなかった相続人 銀行・ゆうちょ銀行
借金の請求を止める 放棄した人 貸金業者・カード会社・債権回収会社
次の順位の相続人の手続き 新たに相続人になった人 法務局・銀行・家庭裁判所
相続税の申告 放棄しなかった相続人 税務署(必要な書類は税理士・税務署へ確認)

相続登記で必要な書類の全体は、相続登記の必要書類で整理しています。

債権者には、受理証明書ではなく受理通知書のコピーを送れば足りると案内されることもあります。

だれが申請できるか

家庭裁判所の案内では、申請できる人は次のとおりです。

  • 申述人本人(相続放棄をした人)
  • 利害関係人(放棄しなかった相続人、次の順位の相続人、被相続人の債権者など)
  • 代理人弁護士

利害関係人が申請するときは、利害関係を示す資料(戸籍や契約書など)を添付します。

代理人になれるのは弁護士と、申請するのが会社の場合のその会社の社員に限られます(仙台家庭裁判所の案内)。

名古屋家庭裁判所も、照会について「弁護士以外の方は代理人にはなれません」と案内しています。

放棄した人は、他の人の分を取れない

放棄済みの人は、他の親族の受理証明書を、原則として申請できません。

大阪家庭裁判所が、案内でこのように説明しています。

放棄した人は初めから相続人でなかったとみなされ、相続人としての利害関係がなくなるからです(民法939条)。

たとえば兄弟3人が放棄した場合、受理証明書は、それぞれが自分の分を申請します。

申請先と費用

申請先は、相続放棄の申述を受理した家庭裁判所です。

相続放棄の申述は、被相続人の最後の住所地の家庭裁判所に出します(家事事件手続法201条1項)。

そのため、通常は同じ裁判所になります。

費用 金額
手数料(収入印紙) 申述人1人の証明書1通につき150円
限定承認の場合 申述人の数にかかわらず、1通150円
返信用切手(郵送で受け取る場合) 東京家庭裁判所は110円(11通以上は180円以上)

手数料は、民事訴訟費用等に関する法律で定められています。

たとえば兄弟3人の分を1通ずつなら、150円×3人=450円分の収入印紙が必要です。

収入印紙は、裁判所内で販売していない庁もあるので、郵便局などで用意しておきます。

返信用切手の額は郵便料金の改定で変わり、裁判所ごとに案内も違います。

古い案内のままの庁もあるので、申請する裁判所に最新の額を確かめてください。

必要書類

受理証明書を郵送で申請するときの同封物チェックリスト

必要書類は、申請する人によって変わります。

以下は家庭裁判所の案内に共通する内容です。

実際には、事案に応じて追加の資料を求められることがあります。

申述人本人が申請する場合

  • 申請書(受理通知書に同封されている申請書、または裁判所の「謄本・正本各種証明申請書」)
  • 受理通知書(窓口では持参。郵送のときの扱いは申請先に確認)
  • 本人確認書類(運転免許証など。窓口では提示)
  • 収入印紙(1通150円)
  • 返信用封筒と切手(郵送で受け取る場合)

申述のときと氏名や住所が変わっている場合は、つながりがわかる戸籍謄本や戸籍の附票が必要です(徳島家庭裁判所の案内)。

他の相続人や債権者(利害関係人)が申請する場合

申請する人 主な添付資料
他の相続人・次の順位の相続人 被相続人の死亡がわかる戸籍(除籍)謄本、申請者が相続人だとわかる戸籍謄本、本人確認書類または住民票
債権者(個人) 契約書など債権があることを示す資料のコピー、本人確認書類
債権者(会社) 資格証明書(代表者事項証明書など)、債権を示す資料のコピー

申請書は、利害関係人用の様式を使います。

様式は、各家庭裁判所のウェブサイトに掲載されています。

戸籍の集め方は、相続の戸籍の集め方で説明しています。

家事事件に出す戸籍謄本は、コピーの提出でも差し支えないと案内している家庭裁判所もあります(神戸家庭裁判所)。

事件番号がわからないとき(有無の照会)

受理証明書の申請書には、事件番号と受理年月日を書きます。

他の相続人が放棄したかどうか、事件番号がわからないときは、先に「相続放棄・限定承認の申述の有無についての照会」をします。

  • 照会できるのは、相続人と被相続人の利害関係人(債権者など)
  • 照会の手数料は不要
  • 照会書と相続人目録に、被相続人の氏名・最後の住所・死亡年月日を戸籍の記載どおりに書く
  • 添付書類は、被相続人の住民票の除票(本籍の記載のあるもの)、照会者が相続人だとわかる戸籍、本人確認書類のコピー、返信用封筒など

名古屋家庭裁判所の案内では、戸籍の記載どおり正確に書かれていないと、受理がないものとして扱われます。

旧字体や住所の番地まで、戸籍や住民票の除票と照らし合わせて書きましょう。

仙台家庭裁判所の案内では、照会と同時に受理証明書を申請することはできません。

照会の回答(検索結果)が届いてから、証明書を申請します。

東京家庭裁判所では、照会の回答から1年以内なら、照会のときに出した書類を流用でき、回答のコピーを付けて申請できます。

申請の流れ

  • STEP 1
    提出先に必要な書類を確認する
    受理証明書か、通知書のコピーで足りるか
  • STEP 2
    事件番号を確認する
    受理通知書を見る。わからなければ有無の照会をする
  • STEP 3
    申請書を用意する
    本人用か利害関係人用かを選び、裁判所のサイトから取得する
  • STEP 4
    添付書類と収入印紙をそろえる
    1通150円×人数×通数
  • STEP 5
    窓口に出すか郵送する
    郵送なら返信用封筒と切手を同封する
  • STEP 6
    証明書を受け取る
    裁判官の許可が必要なため、即日交付はできないとする庁もある

東京家庭裁判所は、本人以外の申請について、裁判官の許可が必要なため申請日当日の交付はできないと案内しています。

提出期限がある手続きでは、日数に余裕をもって申請しましょう。

申請書の書き方

申請書の様式は裁判所ごとに少しずつ違いますが、書く内容はほぼ共通です。

記入欄 書くこと
事件番号 受理通知書に書かれた番号(例:令和○年(家)第○○○号)
申述人 放棄した人の氏名(複数なら全員分)
被相続人 亡くなった人の氏名・本籍・最後の住所・死亡年月日
受理年月日 受理通知書に書かれた日付
申請通数 申述人ごとに必要な通数
申請人 申請する人の住所・氏名・連絡先、押印(大阪・仙台家庭裁判所は認印で可)
利害関係(利害関係人用) 「相続人」「債権者」など、被相続人との関係

会社が申請するときは、代表者の職印を押すよう求める庁があります(大阪・仙台家庭裁判所)。

相続放棄の申述書そのものの書き方は、相続放棄申述書の書き方と必要書類で説明しています。

郵送申請の送付状とチェックリスト(Word・無料)

郵送で申請するときに同封する送付状と、同封物のチェックリストをWordで用意しました。

申請書そのものは、申請する家庭裁判所の様式を使ってください。

Wordファイルに入れた内容は、次のとおりです。

  • 家庭裁判所あての送付状(本人用・利害関係人用の2パターン)
  • 同封物チェックリスト(申請書・印紙・添付書類・返信用封筒)
  • 収入印紙の計算欄(150円×人数×通数)
  • 提出先ごとのメモ欄(受理証明書か通知書のコピーか)

よくあるつまずき

  • 収入印紙の額が足りない:申述人が複数いると、人数分が必要になる
  • 返信用切手が古い額:郵便料金の改定後の額を確認する
  • 被相続人の住所が戸籍と違う:照会や申請では、住民票の除票どおりに書く
  • 放棄した本人が、兄弟の分も取ろうとした:原則として各自が自分の分を申請する
  • 受理された裁判所と違う裁判所に出した:受理した家庭裁判所(支部を含む)に出す

放棄した人がいるときの相続手続きの進め方

相続放棄をした人は、初めから相続人ではなかったものとみなされます(民法939条)。

そのため、残った相続人だけで手続きを進めます。

場面 手続きの進め方
子2人のうち1人が放棄 もう1人の子(と配偶者)で遺産分割協議をする。放棄した人は協議に加わらず、署名もしない
子全員が放棄 亡くなった人の父母など(いなければ兄弟姉妹)が新たに相続人になる
次の順位の人が手続きをする 自分が相続人であることを示すため、先の順位の人全員が放棄したことの証明が必要になる

銀行や法務局に出すときは、相続人の一覧から放棄した人を外し、受理証明書(または提出先が認める書類)を添えます。

次の順位の人は、先の順位の人が全員放棄したかを、有無の照会で確かめられます。

遺産分割協議書の書き方は遺産分割協議書の書き方とひな形、相続人の順位は法定相続人の範囲と順位で説明しています。

次の順位の人に知らせる

放棄をすると、相続権が次の順位の人に移ることがあります。

家庭裁判所から次の順位の人に、放棄したことの連絡が行くわけではありません。

借金がある場合などは、早めに知らせておくと、親族間のトラブルを防げます。

次の順位の人の3か月の期限は、自分が相続人になったことを知ったときから数えます(民法915条1項)。

放棄しなかった相続人の相続税

相続放棄をした人がいても、基礎控除などで使う「法定相続人の数」は変わりません。

放棄がなかったものとして数えるのが原則です(相続税法15条2項)。

申告が必要かどうかや、添付する書類は、税理士または税務署に確認してください。

よくある質問

受理証明書は何回でも取れますか?

申請すれば、そのつど交付を受けられます。

1通ごとに150円の収入印紙が必要です。

提出先が複数あるときは、必要な通数をまとめて申請すると手間が減ります。

受理通知書をなくしました。受理証明書は取れますか?

取れます。

事件番号がわからなければ、先に有無の照会をして、回答を受け取ってから申請します。

本人確認書類と、申述人だとわかる資料を準備してください。

家族に代わりに取りに行ってもらえますか?

家族が「代理人」として申請することは、家庭裁判所の案内では認められていません。

ただし、その家族自身が相続人などの利害関係人なら、自分の立場で申請できます。

受理証明書に有効期限はありますか?

法務局や銀行などの提出先が、「発行から3か月以内」などの条件を付けていることがあります。

取る前に、提出先に確認しましょう。

債権者から受理証明書を求められました。出さないといけませんか?

借金の請求を止めるには、放棄したことを債権者に示す必要があります。

受理通知書のコピーで足りるか、債権者に確認してください。

債権者は利害関係人として、自分で受理証明書を申請することもできます。

請求が続いて話し合いが必要な場合は、弁護士に相談してください。

相続放棄の期限(3か月)が過ぎてしまいそうです

受理証明書は、放棄が受理されたあとに取る書類です。

まだ申述していない場合は、先に期限内の申述が必要です。

期限と注意点は相続放棄とはで説明しています。

まとめ

  • 受理証明書は、相続放棄の受理を第三者に示す証明書。受理通知書とは別
  • 申請先は受理した家庭裁判所。手数料は申述人1人1通150円
  • 本人のほか、他の相続人や債権者も利害関係を示して申請できる。代理は弁護士のみ
  • 事件番号が不明なら、先に有無の照会(無料)。照会と同時の申請はできない庁がある
  • 返信用切手の額や必要書類は庁ごとに違うので、申請先の案内を確認する

監修者

行政書士(2018年11月開業)・社会保険労務士試験合格。遺産分割協議書の作成や相続人の調査(戸籍の収集)など、相続の書類づくりに携わっています。

このサイトでは、法務局・裁判所・国税庁・金融機関などが公表している一次資料で確かめた内容だけを書いています。詳しくは運営者情報をご覧ください。

参考資料:東京家庭裁判所「相続放棄申述受理証明書の申請方法について(放棄をしたご本人以外の方が申請する場合)」(R8.6.16)・「相続放棄・限定承認の申述の有無についての照会をされる方へ(利害関係人用)」/大阪家庭裁判所「相続放棄申述受理証明書の申請について(利害関係人申請用)」/名古屋家庭裁判所「相続放棄・限定承認の申述の受理の有無の照会について」/仙台家庭裁判所「相続放棄申述受理証明申請をされる方へ(利害関係人用)」/高知家庭裁判所・徳島家庭裁判所・神戸家庭裁判所の案内/民法938条・939条/家事事件手続法47条・201条/民事訴訟費用等に関する法律/相続税法15条。手続きの細部は家庭裁判所ごとに異なります。申請の前に、申請先の家庭裁判所の案内を確認してください。

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