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相続の委任状の書き方|戸籍・銀行・相続登記で使えるWordひな形5パターン(無料)と代理人になれる人

相続の委任状の書き方 遺産分割協議書・書式
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相続の手続きは、役所・法務局・銀行と、行く先がたくさんあります。

相続人が何人かいても、実際に動くのは1人ということが多く、そのときに必要になるのが「委任状」です。

委任状は、決まった用紙がなくても作れますが、書き方が足りないと窓口で受け付けてもらえません。

この記事では、戸籍法や法務局の記載例をもとに、相続で使う委任状の書き方を手続き別に説明します。

そのまま使えるWordのひな形(5パターン・無料)もつけています。

代理人になれる人や、委任状では頼めない手続きも整理しました。

先に結論
  • 委任状には、代理人・頼む内容・日付・委任者の住所氏名を書く。頼む内容は具体的に
  • 自分の親・祖父母・子・孫、配偶者の戸籍を取るときは、委任状はいらない
  • 相続登記を親族に任せるときは、法務局の記載例に沿った委任状を作る
  • 銀行や車の手続きは、所定の様式があることが多い。先に窓口で確認する
  • 登記・裁判所・税務の代理を仕事として頼める相手は、資格者に限られる

この記事の監修:行政書士(2018年開業・社会保険労務士試験合格)。法務局・裁判所・国税庁などの一次資料で内容を確認しています。

相続の委任状ひな形(Word・5パターン・無料)

相続でよく使う5つの場面の委任状を、1つのWordファイルにまとめました。

パターン 使う場面 出す先
1 戸籍謄本・住民票の除票などを代理人が請求する 市区町村
2 固定資産評価証明書・名寄帳を代理人が請求する 市区町村・都税事務所
3 相続登記を親族などの代理人が申請する 法務局
4 法定相続情報一覧図の申出を代理人がする 法務局
5 預貯金の相続手続きを代理人がする 金融機関

〇〇の部分を書き換え、委任する人が自分で住所と氏名を書いて使います。

提出先に所定の様式がある場合は、そちらを使ってください。

委任状とは

委任状は、自分の代わりに手続きをしてもらうことを、書面で示すものです。

頼む人を「委任者」、頼まれて手続きをする人を「代理人(受任者)」といいます。

窓口の担当者は、委任状を見て、代理人が本当に頼まれているか、どこまで頼まれているかを確かめます。

そのため、誰が・誰に・何を頼んだかが、はっきり分かるように書くことが大切です。

委任状に書くこと

相続手続きの委任状に書く7つのこと

書くこと ポイント
題名 「委任状」と書く
代理人 住所・氏名。生年月日を求められることもある
委任の文 「上記の者を代理人と定め、次の権限を委任します」
頼む内容 何の書類を、何のために、何通など。具体的に書く
亡くなった人の情報 氏名・死亡日・本籍や最後の住所
日付 委任状を作った日
委任者 住所・氏名を本人が書く。押印は提出先の決まりによる

頼む内容は具体的に書く

「相続手続きの一切を委任します」だけでは、窓口で何の請求かが分からず、受け付けてもらえないことがあります。

「〇〇の戸籍謄本の交付請求及び受領」のように、書類の名前と行為を書きましょう。

受け取りまで頼むときは「受領」も入れておきます。

頼む内容の文例

場面 頼む内容の書き方の例
戸籍を取る 被相続人〇〇の出生から死亡までの戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍謄本の交付請求及び受領に関する一切の件
住民票の除票を取る 被相続人〇〇の住民票の除票の写し(本籍の記載のあるもの)の交付請求及び受領に関する一切の件
評価証明書を取る 被相続人〇〇名義の固定資産に関する令和〇年度固定資産評価証明書の交付申請及び受領に関する一切の件
残高証明書を頼む 被相続人〇〇名義の預金について、死亡日現在の残高証明書の発行依頼及び受領に関する一切の件
預金を解約する 被相続人〇〇名義の下記預金の相続手続き、解約及び払戻金の受領に関する一切の件

「請求(申請)」と「受領」の両方を書いておくと、受け取りのときに困りません。

使う目的(相続登記のため、相続税の申告のため など)を書くよう求められることもあります。

白紙の委任状は渡さない

頼む内容や代理人の欄を空けたまま、署名と押印だけした委任状を渡すのは避けましょう。

あとから思っていない内容を書き足されるおそれがあります。

余白に押す「捨印」も、求められた場合だけにし、訂正できる範囲を確かめておきましょう。

印鑑と有効期限

実印が必要か、認印でよいか、署名だけでよいかは、提出先によって違います。

預貯金の払戻しや車の名義変更では、実印と印鑑証明書を求められるのが一般的です。

委任状の有効期限を決めた法律はありませんが、作成から3か月以内などと決めている提出先もあります。

手続き別:委任状が必要な場面

相続手続きで委任状が必要な場面と不要な場面

戸籍謄本を取る

戸籍は、その戸籍に書かれている人のほか、配偶者、直系の親族(親・祖父母・子・孫)が請求できます(戸籍法10条)。

この範囲の人が自分で請求するなら、委任状はいりません。

代理人が請求するときは、委任状が必要です(戸籍法10条の3)。

請求する人 委任状
亡くなった人の配偶者・子・孫・親 いらない
相続人から頼まれた親族や知人 必要(頼んだ相続人が作る)
相続人から頼まれた行政書士などの資格者 職務上の請求書を使うのが一般的

最寄りの市区町村でまとめて取れる「広域交付」は、本人・配偶者・直系の親族が窓口で請求する場合だけ使えます。

代理人による請求や、郵送での請求はできません。

戸籍の集め方は相続の戸籍謄本の集め方で説明しています。

固定資産評価証明書・名寄帳を取る

亡くなった人の不動産の評価証明書や名寄帳は、相続人が請求できます。

相続人から頼まれた人が請求するときは、委任状と、頼んだ人が相続人であることがわかる戸籍の写しを求められるのが一般的です。

取り方は登記事項証明書と固定資産評価証明書の取り方で説明しています。

なお、登記事項証明書(登記簿謄本)は誰でも請求できるので、委任状はいりません。

相続登記を申請する

相続登記は、不動産を相続した人が自分で申請できます。

家族などの代理人に申請を任せるときは、委任状(代理権限証書)を申請書に添えます。

法務局の記載例では、委任状に次のことを書いています。

  • 代理人の住所・氏名
  • 物件の表示(不動産の表示は別に書く)
  • 登記の目的(所有権移転の登記)
  • 登記原因とその日付(令和〇年〇月〇日相続)
  • 相続人と被相続人の氏名
  • 登記識別情報の通知書の受領に関する件

代理人が登記識別情報の通知書を受け取るには、そのことを特別に委任しておく必要があります。

ひな形のパターン3は、この記載例に沿った形にしています。

相続登記の進め方は相続登記の必要書類で確認できます。

法定相続情報一覧図の申出をする

法定相続情報一覧図の申出は、相続人のほか、代理人もできます。

ただし、代理人になれるのは、申出人の親族か、弁護士・司法書士・行政書士などの資格者に限られます。

法務局は、この申出のための委任状の様式を公開しています。

制度の内容は法定相続情報一覧図の作り方で説明しています。

銀行の相続手続きをする

預貯金の相続では、相続人の1人が代表して手続きをすることがよくあります。

多くの金融機関は、相続届や委任状の所定の様式を用意しています。

例えば、ゆうちょ銀行は所定の委任状の様式があり、委任する人の実印を押します。

自分で作った委任状が使えるかどうかは金融機関によるので、先に窓口や相続の専用ダイヤルで確認しましょう。

各行の流れはゆうちょ銀行・三菱UFJ銀行・三井住友銀行・みずほ銀行の記事で説明しています。

車の名義変更をする

車の名義変更(移転登録)を人に頼むときは、国土交通省の様式の委任状を使うのが一般的です。

普通車では、新しい所有者の実印を押し、印鑑証明書を添えます。

手続きは車の相続手続きで説明しています。

手続き先ごとの早見表

手続き 委任状の様式 印鑑の目安 代理人の決まり
戸籍・住民票の除票の請求 自由(市区町村が見本を公開していることが多い) 市区町村による 誰でもよい
固定資産評価証明書・名寄帳 自由(市区町村の様式があることも) 市区町村による 誰でもよい
相続登記 自由(法務局の記載例がある) 押印する 仕事として代理できるのは司法書士・弁護士
法定相続情報一覧図の申出 法務局の様式がある 法務局の案内による 親族か資格者に限る
預貯金の相続手続き 金融機関の様式が多い 実印+印鑑証明書が一般的 金融機関の決まりによる
車の名義変更(普通車) 国土交通省の様式 実印+印鑑証明書 誰でもよい
相続放棄・遺産分割調停 裁判所の手続きの代理は委任状だけではできない ― 代理できるのは弁護士
相続税の申告 税務代理権限証書(税理士が作る) ― 代理できるのは税理士

同じ手続きでも、市区町村や金融機関によって細かい決まりが違います。

ホームページに委任状の見本や様式が載っていることが多いので、作る前に確かめておくと、出し直しを防げます。

相続放棄の申述書は、相続人本人が作って家庭裁判所に出すことができます(相続放棄申述書の書き方)。

委任状と一緒に持っていくもの

持ち物 内容
委任状の原本 コピーでは受け付けてもらえないのが一般的
代理人の本人確認書類 運転免許証・マイナンバーカードなど
委任者が相続人であることがわかる書類 亡くなった人との関係がわかる戸籍の写しなど
委任者の印鑑証明書 実印を求められる手続きの場合
手数料 戸籍謄本は1通450円、除籍・改製原戸籍は1通750円など

郵送で請求するときは、委任状のほかに、請求書、手数料分の定額小為替、返信用封筒、代理人の本人確認書類の写しを同封します。

書類は代理人の住所あてに返送されるのが一般的です。

「相続人の代表者」と委任状の違い

銀行の相続届では、相続人全員が署名し、そのうちの1人を「代表相続人」として払戻しを受ける形がよく使われます。

この場合は、相続届そのものが委任状の役目を兼ねるので、別の委任状がいらないこともあります。

固定資産税の「相続人代表者指定届」は、納税通知書を受け取る人を決める届出です。

家を相続する人を決めるものではなく、委任状とも別のものです。

固定資産税の扱いは相続した家の固定資産税は誰が払う?で説明しています。

代理人になれる人

相続手続きの代理人になれる人(親族でよい手続きと資格者に限られる手続き)

役所の書類の請求などは、家族や知人に頼めます。

一方、仕事として代理を引き受けられる人が、法律で決まっている手続きもあります。

手続き 仕事として代理できる資格者
登記の申請の代理 司法書士・弁護士
家庭裁判所の手続き(相続放棄・遺産分割調停など)の代理 弁護士
税務署への申告の代理・税務相談 税理士
ほかの相続人との交渉 弁護士
遺産分割協議書などの書類の作成、戸籍の収集 行政書士・司法書士・弁護士など

家族が無償で手伝う場合でも、ほかの相続人との話し合いがもめているときは、弁護士に相談するのが安全です。

委任状を使えない・気をつけたい場面

本人が判断できないとき

委任状は、頼む本人が内容を理解して作るものです。

認知症などで判断能力がない人の委任状を、家族が代わりに書くことはできません。

この場合は、家庭裁判所で成年後見人を選んでもらう必要があります。

手続きは成年後見の申立て手続きで説明しています。

未成年の相続人がいるとき

未成年の子の手続きは、親(親権者)が法定代理人として行うので、委任状はいりません。

ただし、親と子がどちらも相続人で遺産分割をするときは、利益がぶつかります。

この場合は、家庭裁判所で特別代理人を選んでもらう必要があります(民法826条)。

亡くなった人が生前に書いた委任状

委任は、頼んだ人が亡くなると終わるのが原則です(民法653条)。

親が生前に「預金の引き出しを任せる」と書いた委任状があっても、亡くなったあとの相続手続きには使えません。

亡くなったあとは、相続人として手続きをします。

遺産分割協議そのものは委任状では足りないことがある

遺産分割協議書には、相続人全員が署名し、実印を押すのが一般的です。

協議の内容を決めることまで人に任せると、あとで「聞いていない」ともめる原因になります。

遠方の相続人がいるときは、協議書を郵送で回す方法があります。

書き方は遺産分割協議書の書き方で、Wordのひな形と一緒に説明しています。

委任状を作る手順

  • STEP 1
    提出先に確認する
    所定の様式があるか、実印が必要か、有効期限があるかを聞く
  • STEP 2
    ひな形を書き換える
    代理人、頼む内容、亡くなった人の情報を入力して印刷する
  • STEP 3
    委任者が署名する
    委任する人が、日付・住所・氏名を自分で書き、必要なら押印する
  • STEP 4
    必要な書類をそろえる
    代理人の本人確認書類、戸籍の写し、印鑑証明書など
  • STEP 5
    代理人が提出する
    窓口に出すか、郵送で請求する

相続人が遠くに住んでいるときは、印刷した委任状を郵送し、署名して送り返してもらいます。

返信用の封筒を同封し、どこに何を書くかを付箋などで示しておくと、やりとりが1回ですみます。

いくつもの手続きを頼むときは、提出先ごとの委任状をまとめて送ると、何度も頼まずにすみます。

委任状でよくあるミス

  • 頼む内容が「一切の件」だけで、書類の名前が書かれていない
  • 委任者の住所が、住民票や印鑑証明書の住所と違う
  • 日付が抜けている。または古すぎる
  • 代理人の氏名が、持参した本人確認書類と違う(旧姓など)
  • 相続人が何人もいるのに、1人分の委任状しかない
  • 訂正を修正テープで行った

書き間違えたときは、新しく書き直すのが確実です。

代理人は、窓口で自分の本人確認書類(運転免許証など)も求められるので、忘れずに持っていきましょう。

相続税の申告を任せたいとき

相続税の申告を人に任せる場合、代理できるのは税理士です。

家族が代わりに申告書を作ることはあっても、仕事として税務の代理や相談を受けられるのは税理士に限られます。

相続した不動産を売る場合

相続登記が終わると、相続した家や土地を売ることができます。

売るかどうか迷っている段階でも、査定を取っておくと、遺産分割の話し合いで価格の目安になります(相続した不動産の価格の調べ方)。

相続放棄を考えている人は、売買契約の前に放棄するかどうかを決めてください(相続財産を処分すると、民法921条1号により単純承認とみなされることがあります)。

相続した不動産の売却・買取の相談先(比較)

特例の期限が迫っている場合や、ふつうの仲介では売りにくい不動産は、買取の査定もあわせて比べてみましょう。

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よくある質問

委任状は手書きでないといけませんか?

本文はパソコンで作ってかまいません。

委任者の住所と氏名は、本人が手書きで書くよう求められることが多いので、署名の欄は空けて印刷しましょう。

委任状は1枚で、いくつもの手続きに使えますか?

原本は提出先に渡すのが一般的なので、提出先ごとに1枚ずつ作ります。

戸籍を何か所もの市区町村に請求するときは、その数だけ用意しましょう。

相続人が海外に住んでいます。委任状はどうすればいいですか?

海外に住む人は、印鑑証明書の代わりに、日本の領事館で署名証明(サイン証明)を受けるのが一般的です。

必要な書類は提出先によって違うので、先に確認しましょう。

兄弟姉妹の戸籍は、委任状がないと取れませんか?

兄弟姉妹は直系の親族ではないので、ふつうの請求の範囲には入りません。

ただし、相続手続きに必要な場合は、理由を書いて請求できます(戸籍法10条の2)。

請求のしかたは、戸籍のある市区町村に確認してください。

委任状を書いたら、相続分を譲ったことになりますか?

なりません。

委任状は手続きを任せるだけで、財産の分け方を決めるものではありません。

委任状を出したあと、取り消すことはできますか?

委任は、いつでもやめることができます(民法651条)。

やめるときは、代理人に伝えて委任状を返してもらい、すでに提出先に出している場合は、提出先にも連絡しましょう。

まとめ

  • 委任状には、代理人・頼む内容・日付・委任者の住所氏名を具体的に書く
  • 直系の親族と配偶者の戸籍は、自分で請求すれば委任状はいらない
  • 相続登記・法定相続情報は法務局の記載例に沿って作る。銀行や車は所定の様式を先に確認する
  • 仕事として登記・裁判所・税務の代理ができるのは資格者だけ
  • 判断能力がない人の委任状は作れない。生前の委任状は亡くなったあとは使えない

監修者

行政書士(2018年11月開業)・社会保険労務士試験合格。遺産分割協議書の作成や相続人の調査(戸籍の収集)など、相続の書類づくりに携わっています。

このサイトでは、法務局・裁判所・国税庁・金融機関などが公表している一次資料で確かめた内容だけを書いています。詳しくは運営者情報をご覧ください。

参考資料:戸籍法10条・10条の2・10条の3/法務局「不動産登記の申請書様式について」(相続による所有権移転登記の記載例・委任状の例)/法務局「法定相続情報証明制度」委任状の様式/ゆうちょ銀行 相続手続きの委任状/民法653条・826条/司法書士法・弁護士法・税理士法(2026年10月5日確認)

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